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メインは中止も大晦日はABEMAでボクシング〜全試合の見どころ・試合結果

torajiro

ボクシングファン歴27年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

井岡VSマルティネス2がフェルナンドマルティネス選手のインフルエンザ感染でまさかの中止。

統一したベルトを返上してまで井岡選手との再戦を選んだマルティネス選手にとっても痛すぎるインフルエンザ感染。

感染症の多いこの季節の開催は一定のリスクが伴うということを痛感しました。

メインは残念な形になりましたがアンダーカードは予定通り開催されます。

リングに上がる選手達に敬意を込めて全カードの見どころを紹介します。

試合は16:00開始!!

ABEMAで配信ありです。

フェザー級4回戦 初勝利を目指す高橋虹空 VS デビュー戦の愛甲隼士

デビュー戦でFLARE山上ジムの熊田雅史選手(くまだまさし!?)に敗れた闘拳ジムの高橋虹空選手。

デビュー戦特有の距離が噛み合わない展開でくっついての右が空を切り、熊田選手に細かいパンチをまとめられて敗北。

敗れはしましたらフルラウンド戦った経験は大きい。

対するDANGAN越谷ジムの愛甲隼士選手は31歳デビュー戦。

最近は30過ぎてデビューする選手にも強いボクサーがわんさかいます。

愛甲という名字が強そうなイメージ。

滅多にない舞台でのデビュー戦なので思い切り暴れて欲しい。

試合結果:愛甲隼士がデビュー戦勝利

試合は激しい打ち合いを制して愛甲選手が判定勝利。

高橋選手は1Rから手数は出すがパンチの打ち方が非常に勿体ない。

後ろ重心で反り返るか逆に前のめりにくの字に曲がった状態での手打ちのパンチ。

あの打ち方は腕力に頼ったパンチになるのでスタミナの消耗が尋常じゃない。

それでいてあれだけの手数を出せたのだから体の中心からパンチを振る打ち方に修正すれば強くなる。

愛甲選手はバランスの良さ、ガードの良さで勝利を手にしました。

とにかく高橋選手の勿体なさが目立った試合でした。

Sバンタム級4回戦 パーフェクトレコード中田雅大 VS 35歳山城勇希

この試合は距離に注目!!

秩父ジムの中田雅大選手は3戦3勝3KOのパーフェクトレコード。

やや力みも感じるが拳の固そうなパンチを振るファイター。

デビュー戦は右アッパーでのKO。

対する天熊丸木ジムの山城勇希選手は1勝2敗の35歳。

中田選手のパーフェクトレコード更新に注目が集まる試合ですが山城選手はリーチがある。

やや力みがちでリーチは短い中田選手を山城選手がリーチを活かして捌き切る展開もあり得ます。

中田選手のパワーか??山城選手の技巧か??

試合結果:中田パーフェクトレコード更新も山城も健闘

中田選手は予想通りにグイグイと前に出てパンチを振る。

山城選手は距離とブロックで迎え撃つが左フックや右フックをもらって後退。

山城選手は逆ワンツーやバックステップから右を決めて2Rに入ると徐々に中間距離で戦える場面も増えてきた。

しかし最後は右アッパーをもらってしまいレフェリーが試合をストップ。

72kg6回戦 定年から復活勝利の為田真生 VS 元キック王者緑川創

2022年にボクサー定年により一度引退した為田真生選手。

その後、定年制度の改定によってリングに復帰し、3年ぶりの勝利を手にした為田選手。

諦めずにリングに上がり続けた結果の勝利は感動的でした。

対戦相手を選ばず誰とでも戦い、有望選手達がキャリアを積む相手としてもボクシング界に貢献する選手です。

緑川創選手は元キックボクサーでRISEでも活躍していた選手。

年齢は38歳ですがまだまだ現役バリバリでボクシング転向後の初戦もしっかりとしたパフォーマンスを披露。

強い選手相手に為田選手が揉み合いの自分の土俵に持ち込むことが出来るか!?

試合結果:緑川創がTKO勝利も為田のタフネスが光った

1R中盤までは為田選手がジャブを上下について右のロングを振っていたが徐々に緑川選手が中に入りボディからコンビネーションをまとめる。

流れはこのまま緑川選手に傾き早期にKO決着になるかと思いきや、ここから為田選手が体を預けながらアッパーやフックを振るってペースを完全には引き渡さない。

しかし4Rにヒッティングで右目上を負傷した為田選手はこのラウンドにレフェリーがダメージ+傷も考慮したと思われるストップ。

緑川選手としてはもっと見せ場を作りたかった試合ではなかったか。

Sフライ級8回戦 タイトル挑戦から復帰の白石聖 VS 佐藤剛

志成ジムの白石選手は2023年に中川健太選手が持つWBO Asia Pacificスーパーフライ級王座に挑み敗北して以来の再起戦。

佐藤選手は2020年に矢吹選手のLフライ級王座に挑み敗北し、2024年に3年振りに現役復帰しました。

両選手は2017年の全日本新人王で、白石選手がフライ級新人王、佐藤選手がLフライ級の新人王。

普通に考えれば2階級アップの佐藤選手が不利予想ですが、佐藤選手は元々パンチがある。

階級アップでパワーアップしていると危険な相手。

試合結果:白石聖が捌き切る

白石選手が2〜4ポイントの差をつけて判定勝利。

中に入りたいサウスポーの佐藤選手に対し、白石選手はフットワークとジャブで距離をキープ。

佐藤選手のフックが単発で入る場面もあったが試合は中盤以降に白石選手の右の的中率が上がっていく。

佐藤選手は最後まで自分の距離で戦うことが出来なかった。

白石選手はサウスポーの捌き方が非常に上手かった。

58kg契約!?階級差は大丈夫?? 篠田将人VS 向山大尊

野口ジムから山木ジムに移籍した篠田選手は元々Sフライ級の選手。

殺傷能力の高い攻撃力が魅力で10戦7勝(6KO)2敗(1KO)1分とKO率は高い。

しかしSフライ級からだと4階級近い階級アップ。

自慢のフットワークは機能するのかどうか??

入場曲は安室ちゃんのTRY MEでこれがテンション上がります。

向山大尊選手もハッピーBOXからDANGANジムに移籍して前戦ではTKO勝利。

元々高い能力を持ちつつ開花していない感のあった向山選手。

DANGANジムに移籍したことでワンランク上のボクサーに成長する予感大。

どちらも身体能力が高く大化けする可能性を秘めた選手同士です。

試合結果:篠田体が重い、向山ボクシングが綺麗に

サウスポー同士の一戦。

果たしてこの試合はやる必要があったのかという篠田選手の仕上がり具合。

主戦場が3階級異なる篠田選手は距離を詰めないといけないが足が重い。

Sフライ級で戦っている時のようなフットワークがない。

向山選手のジャブに自分から下がってしまう。

2Rに入ると向山選手の左ストレートが篠田選手をとらえる。

篠田選手は打ち終わりに右フックを合わせるボクシングで打開しようとするが向山選手はブロックとバックステップで被弾を回避。

コツコツとジャブを突いて左につなげてポイントを加点。

篠田選手は一発狙いで時折ヒットを奪う場面もあったが単発。各ラウンド終盤に惜しい場面もあったのだが。

特に最終ラウンドは自分から前に出て見せ場を作った。

判定は最大9ポイント差で向山選手の勝利。

Sライト級8回戦 北九州の不良!加藤亜礼史が鈴木雅弘に挑む

ノーランカーの折尾ジム加藤亜礼史選手が元王者でSライト級2位の鈴木雅弘選手に挑む一戦。

ヤンチャな印象の加藤亜礼史選手は気持ちが強く上手さもある選手。

圧倒的不利予想にはなるが試合は年末らしい盛り上がる試合になること間違いなし。

鈴木雅弘選手もこの試合はスタートから好戦的に出てくるはず。

1Rからの目が離せない試合になるでしょう!!

試合結果:鈴木雅弘の地獄の左ボディ

足を止めての戦いを選択した加藤亜礼史選手。

ポイントアウトは無理と判断し、一発に賭けた戦い方と見た。

鈴木選手はスタートから前に出て上下に強打を打ち込みポイントを重ねていく。

やや狙い過ぎか、鈴木選手の攻めもやや単調か、しかし要所要所でのサウスポーに対する左ボディアッパーは悶絶もの。

レバーが前に出ているサウスポーにあの左はボディは辛い。

加藤選手はボディをもらいクリンチに逃げる場面が徐々に増え、6Rにパンチをまとめられたところでレフェリーが試合をストップ。

加藤選手も足を止めて右手で全身を阻み左の一発を狙ったが、鈴木選手が格の違いを見せた一戦でした。

ライト級8回戦 体重超過から復活の木村吉光 VS 危険な相手ウーハンユン

1年前の大晦日に体重超過でOPBFタイトルマッチのチャンスを逃した木村吉光選手。

体重超過による処分が明けて今度こそ大晦日のリングに上がります。

階級は1階級アップのライト級で対戦するのは中国のウーハンユン選手。

戦績は7戦4勝(1KO)2敗(1KO)1無効試合と平凡なものですが、この選手はかなり危険。

前戦ではライト級上位ランカーの齊藤陽二選手と中盤まで互角のスリリングな打ち合いを見せていました。

ディフェンスも良く下半身も安定していて回転力もあり、パワーも齊藤選手相手に遜色のないものでした。

階級アップしての初戦、1年4ヶ月ぶりの試合ということを考えると中途半端なモチベーションでリングに上がったらトンデモない事になるかもしれない。

試合結果:木村吉光ポイント的には完勝だけど、、

採点は3対0、78-74が2者、79-73が1者で木村選手の勝利。

この採点だけ見ると圧勝ですが、少なくとも4Rまではどっちが勝っているか分からないような静かな展開。

木村選手のジャブを取るか、ウーハンユン選手の前進を取るか、そんな展開。

5Rに木村選手がワンツー有効打でウーハンユン選手の顔を切り裂き抜け出すとそこからはポイント的には木村選手かなという試合でした。

という感じなので78-74が妥当と言えば妥当な判定で、自分の採点も78-74なのですが、何かスッキリしない試合ではありました。

WBA世界Sフェザー級挑戦者決定戦のリングに上がる堤駿斗

こちらも前戦で体重超過により半年のライセンス停止処分を受けていた堤駿斗選手。

処分明けの初戦がSフェザー級の挑戦者決定戦ということで賛否ありのリングに堤選手が上がります。

アマチュアでの輝かしい実績を引っ提げてプロ入り。

ネクストモンスターとして注目を集めた堤選手は体重超過によって現在は負のイメージが漂う。

今回の挑戦者決定戦もランキング9位の堤選手と14位のレネ アルバラート選手によるもの。

アルバラート選手は最近の試合は2勝6敗と大きく負け越しており、勝っても後味は少し悪いかもしれない。

が、個人的にはその辺は気にせず堤選手には自信を持って戦って欲しい。

人間誰だって失敗するもの。失敗があってこその人間です。

マッチメイクだって選手がするものではありません。

Sフェザー級なんて滅多にチャンスがない階級です。

このチャンスに派手に勝利してベルトへの挑戦権を手にしてください。

試合結果:堤駿斗がパーフェクト

試合開始早々、30秒くらいで堤駿斗選手の勝ちを確信したファンが大半ではなかったか。

スタンス広く戦うアルバラート選手はスピードで堤選手に大きく劣る。

堤選手がバランス良くジャブから右を下に、アルバラートが打ち終わりに返してもブロックもしくはバックステップで被弾はゼロ。

咬ませ犬との試合レベルでアルバラート選手は序盤でなすすべなし。

堤選手はSフェザー級に階級を上げてもスピードが落ちた様子は一切ないどころか更に安定感が増した印象。

打ち終わりにバックステップで避けるパターンとブロックで対処するパターンとその瞬間の判断が絶妙。

5Rに堤選手の左フックでアルバラート選手がグラグラになると後はもうどこで仕留めるか。

ここからアルバラート選手も粘り8Rまで試合は進んだが試合はワンサイド。

フィニッシュは8Rにワンツーでダメージを与えてから堤選手がノンストップの連打でレフェリーストップを呼び込む。

世界ランカーが相手ではあったが対戦相手に物足りなさを感じた試合でした。

世界挑戦者決定戦と銘打たれた試合ではありましたが、もう1戦世界上位ランカーとの試合を挟んだ上で世界挑戦して欲しい。

そう思わせる試合内容でした。

世界上位ランカーと試合を組んでも圧倒は難しくても問題なく勝つでしょう。

誰にも文句言われない道を歩んで世界挑戦して欲しい。

この階級でこれほどの動きが出来る日本人ボクサーはこれまで一人もいなかった。

年末に驚きのパフォーマンスを見せてくれた堤駿斗選手に感謝。

ABEMAの視聴数も40万に届く数字でした。

これは3150LUSH×BOMU vol.3の2倍近くの視聴数。

堤駿斗選手への期待値の高さと年末のボクシングに対するニーズの高さを感じた興行でした。

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