こんにちは。新人王トーナメントが大好きなボクシングブロガーのtorajiroです。
2022年度の新人王トーナメントで最後まで最も盛り上がった階級はSライト級でした。
トカちゃん秘蔵っ子石井竜虎選手の剛腕に注目が集まる中、スコーピオン金太郎選手が左ストレートを突き刺し、全日本も西の注目選手野口海音選手を豪快に倒して全日本のMVPを獲得。
大いに盛り上がったSライト級は2023年度もハイレベルな攻防が繰り広げられそうです。
2023年度の東日本Sライト級の注目選手を紹介していきます。
アマキャリア豊富な川村英吉の安定感
国体準優勝、日大ボクシング部を経て角海老宝石ジムでプロデビューした川村英吉選手。
川村選手を担当する佐藤トレーナーは加藤善孝選手ら中量級の重量感ある実力者を輩出してきたトレーナーです。
佐藤トレーナーが指導する選手は基本に忠実で安定感があり、ジャブが上手い穴のない選手が多い。
川村選手もアマチュアキャリアに裏付けられた基本に忠実で安定感のあるボクシングをする選手です。
デビュー戦はT&Hジムの能醒魅選手を相手に的確なパンチを当ててフルマークに近い内容で勝利しました。
能醒魅選手は石井竜虎選手相手にも2Rに倒されるまでは優勢に試合を進めていましたし、YouTube動画でヒロキングとスパーをした時も五分かやや優勢だった実力のある選手。
その能醒魅選手を相手に完勝した川村選手の実力は4回戦の中では頭一つも二つも抜け出ていると言えます。
ディフェンス能力がとても高いので不用意な被弾も少なく、更に体も頑丈で打たれ強そう。
デビュー戦の内容に強いて難点を挙げるとすれば、安定感がありすぎて試合がやや面白くないというところでしょうか。
東日本Sライト級で優勝する確率が最も高いのはこの川村選手でしょう。
多破スパンダンの危険な攻撃力
Sライト級の選手の中でダントツで面白いボクシングをするのはこの多破スパンダン選手。
デビュー戦は判定でしたが2Rにダウンを奪っており、2戦目と3戦目は開始から速攻で2試合連続1RKO勝利中。
ネパール出身で2004年生まれのまだ10代の選手。
手足が長くて日本人には中々ないバネを持っています。
両足のかかとが上がってピンと立った状態から飛び込んで相手を仕留めに行くボクシングスタイルは派手で面白い。
今のところは派手に倒してきていますが、ガードはかなり低いので相打ちの一発をもらったらどうか。
多破スパンダンサウスポーの松村虎太朗相手に課題を残す
ガードの低さが気になっていた多破スパンダン選手。
サウスポーの松村虎太朗選手との一戦で左ストレートと左フックをしこたまもらってしましました。
それでも効いてるそぶりなく打ち返して2RTKOで勝利。
打たれ強さも証明した一戦でした。
左ストレートをスウェーでギリギリ外しての右ストレートはお見事でした。
石井竜虎とも引き分けた寺田龍覇の左ストレート
寺田龍覇選手の現在の戦績は3勝2KO1分。
この1分はトカちゃん秘蔵っ子の石井竜虎選手と引き分けたもの。
デビュー前からYouTube企画のスパーで注目を集めていた石井竜虎選手のデビュー戦相手となり、引き分けに持ち込んだ寺田選手。
寺田選手の武器は少ないモーションで繰り出される左ストレート。
直近の試合もこの左ストレートカウンターが綺麗に決まり芸術的なダウンを演出していました。
気持ちも強くてまだまだ強くなっていきそうな選手です。
6年振りに復帰した大場翔は応援団が怖い、、
2016年を最後に試合から遠ざかっていた大場翔選手。
2022年11月のジョーカーリョウ戦で約6年振りにリングに復帰。
スピードのあるジャブとバランスの良さは基礎となる体の強さを感じました。
試合とは関係ないところではありますし、あくまで個人の印象ですが、大場選手の応援団はちょっとガラが悪い。
声援解禁になっていなかった頃の後楽園ホールで「こ○せ!」の野次は聞いててあまり良い気持ちにはなりませんでした。
テンション上がってハイになるのは分かるので、もうちょっと違う表現で盛り上がっていただけたら幸いであります。
川村英吉VS多破スパンダンは短い時間に見どころが凝縮
東日本新人王トーナメント準決勝で対戦した川村英吉選手と多破スパンダン選手。
スパンダン選手の高い身体能力に対し、川村選手はジャブから丁寧に組み立てる。
1R目からコツコツと放つ川村選手のジャブがスパンダン選手を面白いようにとらえる。
川村選手はアマキャリアもありますが、角海老の佐藤直樹トレーナーが指導する選手は昔からみんなジャブが凄く良い。
一体どんな指導をしているのだろう??
話を戻してジャブから右ストレートボディを打つ川村選手に対し、スパンダン選手が左右フックを奮って川村選手のバランスを崩す場面もあったものの、ペースは完全に川村選手。
ジャブと右ボディを意識させ続け、そして放った最初?の左フックがカウンターで入ってジャストミート!!
この一発で足元が定まらなくなったスパンダン選手を見てレフェリーが10カウント。
KOまでの組み立てを語りたくなる凝縮された好試合でした。
スパンダン選手はやはりワンランク上の選手とぶつかるとこういう結果になってしまいますね。
寺田龍覇VS大場翔は両者持ち味を出したドロー
寺田選手と大場選手の一戦は序盤は大場選手のコンパクトな右からの組み立てが機能。
一発のパンチは寺田選手ですが、先手を取ってノーモーションの右からコツコツとヒットを奪うのは大場選手。
寺田選手の強打の左を取るか、大場選手のコンパクトな右からの組み立てを取るか。
そんな展開の中での後半は寺田選手の攻撃がやや光った印象。
判定はドローで優勢点は寺田選手かな?
と個人的には予想しましたが、ドローのジャッジ2者は大場選手を支持。
まとめ
Sライト級は日本チャンピオンやランカー勢を見てもハードパンチャーで派手な試合をする選手ばかり。
特に現日本チャンピオンの藤田炎村選手は新人王トーナメント2019年度の西軍代表で2023年にチャンピオンまで昇り詰めた選手です。
2021年度の全日本新人王である関根幸太朗選手も存在感が出てきました。
2023年度の新人王トーナメントからも先人達のような激アツなボクサーが出てこないかと期待しております。
- 安定感の川村英吉
- 勢いとバネの多破スパンダン
- 綺麗な左ストレートの寺田龍覇
- 6年振りに復帰の大場翔
この中からタイトル戦線まで駆け上がっていく選手が果たして出てくるでしょうか?
Sライト級は西日本の宮川竜成VSサモアの怪人檜皮田知也選手の一戦も注目。