こんにちはボクシングブロガーのtorajiroです。
2023年10月28日(土)に行われた日中平和友好親善プロボクシングマッチの観戦記です。
中国は子供の頃に住んでいた縁もある国なのでこの友好試合が続いてくれると嬉しい限りです。
フライ級4回戦 堀江和也(アキバ) VS 安齊祐太(DANGAN越谷)
定年制度撤廃で37歳デビューの堀江和也選手。
37歳過ぎてのプロデビューは日本ボクシング界初??
試合は堀江選手が接近戦を仕掛け、手数、左アッパーからの右フックで序盤のペースを取る。
中間距離で強いパンチを打つのは安齊選手だが、2Rまではやや堀江選手か。
3Rはお互い疲労が見える中で安齊選手が手数で反撃。
4Rにバッティングで堀江選手の目が腫れて負傷判定に。
結果は2対0の判定で堀江選手の勝利。
37歳プロデビュー勝利という定年制度廃止前には有り得なかった記念すべき1勝を手にした堀江選手でした。
Sフェザー級4回戦 小﨑悠貴(ワタナベ) VS 皇ツカサ(ひたちなか)
サウスポーの小﨑選手が前の手を上手く使いジャブからストレート。
ツカサ選手は威力のある左フックを振る。
小﨑選手のストレートはやや浅く、1R目はツカサ選手か。
しかし2R途中からは小﨑選手が完全にペースを掌握。
左をヒットさせ、返しの右フックもクリーンヒット。
終盤はロープに詰めてあと一歩でストップか!?というところまでツカサ選手を追い詰めました。
ツカサ選手はフックは強かったですが右ストレートが打てず、サウスポーを苦手としているような印象を受けました。
左足先が内側を向いているのでフックは強いけれどストレートは前足が壁になって伸びない。
故に懐の深いサウスポーにはストレートが届かない。
パンチ力はあるので打ち方少し変えたらもっと良い選手になると思いました。
フェザー級4回戦ディンヤーフェイ(中国) VS 中野健斗(新日本木村)
中野選手が左の差し合いを制して右をヒット。
中間距離を中野選手が制し、そこから得意の接近戦へ。
リーチで勝るディンヤーフェイ選手としては中間距離で戦いたいところでしたが、この中間距離での差し合いも中野選手のジャブが先に当たるのでなす術なし。
中野選手はガードが固く、接近戦を信条とするスタイルだが、ジャブもガードの位置からモーションなく打てていて良かった。
もっとこのジャブを強化したら接近戦の自分が好きな展開に持って行きやすくなるのでは。
フライ級8回戦 フーロンイー(中国) VS 苗村修悟(SRS)
苗村選手のKO勝利を期待した試合。
スタートからスピードに乗って回転力あるコンビネーションを打つが、フーロンイー選手はしっかりブロックして打ち終わりを狙う。
苗村選手の打ち終わりガードがあいているところにアッパーストレートとパンチをヒットさせる。
ジグソーパズルにピースをはめ込んで行くようなパンチを当てる上手さがあり、手数は五分五分ながら有効打はフーロンイー選手が積み重ねていく。
それでもどこかで苗村選手の強打が炸裂しないかと期待していた3R、右を合わされ少し腰が落ちた苗村選手は状況を打破しようと右アッパーを連続で打ち込むが、最後のアッパーの後に左フックから連打をまとめられレフェリーが救出。
前回の日中戦で山本智哉選手と戦った選手もヤバかったですが、フーロンイー選手も戦績以上に危険な選手でした。
Sウェルター級8回戦 トゥマエルビエク ヌエルビエク(中国) VS 辻本 純兵(帝拳)
慎重な立ち上がりから辻本選手が強烈な右ストレートボディをヒットさせて先制。
辻本選手のパンチ、ディフェンスの精度が非常に高く、トゥマエルビエク選手の動きがやや雑に見えた試合でした。
ポイント的にはほぼワンサイドながらトゥマエルビエク選手もタフでよく粘り反撃。
耐久力があり頑丈な選手でした。
ライト級8回戦 リュウ ウェイウェイ(中国) VS 渡邉卓也(DANGAN)
元K-1ファイターでゴンナパー・ウィラサクレック選手とも対戦経験のあるリュウ ウェイウェイ選手が登場。
このリュウ選手の左ストレートがとにかく良く伸びて威力がある。
体も渡邉選手よりもワンサイズ大きく見える。
自信満々に左ストレートを伸ばし、右フックも強烈。
1Rが終わった時点ではこれは渡邊選手大丈夫か??
と心配になる立ち上がり。
しかし3Rになると渡邊選手もエンジン全開。
右ボディアッパーや右で入って強烈な左ボディを叩き込む。
レバーが前に出ているサウスポーにとってはあの左ボディは地獄。
このボディで動きを止めてワンツーもクリーンヒット。
4Rにも強烈な左ボディを決めてリュウ選手をくの字に曲げた渡邊選手。
このまま勝負ありかと思いきや5Rにリュウ選手が攻めて出る。
玉砕覚悟の最後の猛攻かと思いきや、この攻撃が終わらない。
中国サイドの応援団も大声援でここから最終ラウンドまで激しい打ち合いに突入。
渡邊選手が上下打ち分け有効打でやや勝っていたが、リュウ選手も渡邊選手の左ボディに対して右フックを返して顔面をとらえる。
キックからの転向で長いラウンド戦うスタミナは無いと予想していましたが、予想を遥かに超える大健闘を見せました。
判定は3対0で渡邊選手が勝利しましたが、この選手はまた見たい。
リュウウェイウェイ、要チェックな選手です。
K-1時代の動画を貼っておきます↓
フェザー級8回戦 ツァイファン(中国) VS 金子虎旦(帝拳)
金子選手がジャブをコツコツと突く立ち上がり。
ツァイファン選手は上体が柔らかくスピードもある。
様子見の1Rを終えて2Rに入るとツァイファン選手が早くも仕掛ける。
頭を振ってサイドを取り、左右のフックが金子選手をとらえる。
後退した金子選手はしかし、ガードをかためてツァイファン選手にカウンターの左フックをヒットさせてダウンを奪う。
ツァイファン選手は立ち上がるが、その後に右をもらいコーナーに後退、更に右からの左フックを叩き込まれ再度ダウン。
勝負ありかと思いましたが、ここからツァイファン選手が粘る。
金子選手優勢ながらツァイファン選手のパンチも金子選手の顔面をとらえている。
最終的に6Rにパンチをまとめてレフェリーが試合を止めましたが、試合を通して金子選手も結構パンチもらっていました。
まとめ
G.O.A.T.MATCH vol.2 日中平和友好親善5対5プロボクシングマッチの観戦記でした。
この日の試合は1試合目からとにかく客入りが良く、会場の雰囲気も良かったです。
日中友好という名の通り、日本側も中国側もクリーンファイトで選手達は激闘を演じました。
中国サイドの選手でこの日一番の収穫はリュウウェイウェイ選手。
苗村選手を倒したフーロンイー選手も恐ろしく強かったですが、リュウウェイウェイ選手のボクシングは面白かったですね。
大きな舞台で戦ってきた選手特有の華を感じました。
中国の選手達は最後まで勝負を諦めず、勝っても負けても健闘を讃えあう気持ちの良いファイター達。
こんな盛り上がる興行ならまた次も観戦に行きたいですね。