令和5年度の「JBC財務諸表」を確認したところ、長年減り続けていた正味財産が増加していることが分かりました。
一時期ジェットコースター級の勢いで正味財産が減っていたJBCに何があったのか!?
収支改善の鍵は何なのか、過去の財務諸表とも見比べつつ精査してみました。
一時清算法人化していたJBC
JBCは2014年度辺りから正味財産を大きく減らし始め、1億4千万円以上あった財産が僅か6年で一気にマイナスに転じてしまう事態に陥っていました。
安河内氏の不当解雇問題に続き亀田家との裁判で財産を減らし、最後はコロナ禍がトドメを刺す形で赤字に転落し、解散の危機に。
清算法人化後に約2億の寄附を受けてかろうじで復活しましたが、この当時のJBCは組織としても末期の状態にありました。
詳しくは以下の記事をご参照ください。
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興行数がほぼ同じ2019年度財務諸表と比較
しかし復活を遂げたJBCは2023年度の財務諸表によると、前年度から30,713,835円も正味財産を増やすという結果に。
一体何が影響したのか!?
裁判がなくなったから??
と思いつつ、2023年度と興行数がほぼ同じだった2019年度との比較で、どこが違ったのかを調べてみました。
2019年度の財務諸表と比較してみると、経常費はむしろ2023年度の方が増えていました。
- 2019年度経常費=165,246,663円
- 2023年度経常費=168,446,703円
物価高、人件費増加もあるのでよくよく考えればこの結果は当然ではあります。
ということは同じ興行数でも収入を大幅に増やした「何か」があることになります。
JBCの収支改善に大きく貢献した「放送承認料」
2019年度と2023年度の財務諸表で事業収入を見比べた時、2019年度と比べると大きく違ったのは「放送承認料」でした。
- 2019年度の放送承認料=9,435,800円
- 2023年度の放送承認料=21,318,000円
ほぼ同じ興行数にも関わらず「放送承認料」は約1,200万もの増収。
この「放送承認料」は日本国内でJBC管轄のもとにおこなわれるプロボクシングの試合を放映、放送する際にJBC支払わなければならないものなのですが、詳しくは以前書いた以下の記事をご参照ください。
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コロナ禍以降、ボクシングの配信媒体は一気に増えて今は正に配信ブーム。
- アマゾン
- ABEMA
- U-NEXT
- Lemino
- FOD
国内ボクシングは数々の配信プラットフォームで配信され、YouTubeチャンネルでも視聴できるようになりました。
配信ブームが一気に来たことでJBCの「放送承認料」も一気に増える結果となったのでしょう。
有り難いことにABEMA、Leminoについては無料視聴可能で、U-NEXTも上手に活用すれば実質無料での視聴も可能です。
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配信媒体の増加がもたらすボクシング界への恩恵
配信媒体の増加でJBCの「放送承認料」が増える結果となりましたが、JBCに入るお金が増えているということは同時に興行主や選手に入るお金も増えていると考えられます。
A級ボクサーの数は2022年と2023年で比較すると113名も増えたのですが、これはボクシングが稼げるビジネスになってきているからだと考えられます。
命を削る競技故に、選手も稼げなければ余程ボクシングを愛していない限りA級のリングには上がりませんよね。
A級ボクサーのライセンス料は年間11,000円(C級は4,400円)なので、JBCのライセンス料収入も110万円アップ。
- 配信が増え
- ボクシング界にお金が流れ
- A級ボクサーが増え
- JBCのライセンス料等の収益もアップ
このままこの好循環が続いて欲しいものです。
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まとめ:皆でボクシングを視聴しよう!!
井上尚弥選手らスター選手の存在がボクシングの価値と関心を高め、商品価値を見出した配信媒体が次々とボクシングに参入。
配信媒体が次々増え、ジムも選手もJBCも潤いだしてきました。
が、ここで安心していてはいけません。
まだまだボクシングの配信は総合的に見れば視聴数では苦戦を強いられているように見えます。
ABEMAのボクシング配信も一気に増えたと思ったらまた一気に減ってしまいました。
大きな興行以外は収益化が見込めないと判断されたのではないかと推察しています。
せめて3150FIGHTや井岡一翔選手の世界戦は視聴して応援しましょう。
U-NEXTの「WHO'S NEXT DYNAMIC GLOVE」は今のところ順調ですが、煽りV等はなく演出はやや控え目。
個人的にはもう少し演出に期待したいところですが、そのためには投資する価値があるコンテンツだと思ってもらう必要があります。
ボクシングファン一人一人の応援がボクシング界の未来に繋がります。
現地観戦が難しい時は配信視聴でボクシング界を盛り上げていきましょう!!