新人王

2024ボクシング全日本新人王決定戦の見どころ・勝敗予想〜久々の東軍勝利の予感

torajiro

ボクシングファン歴27年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

2024年度の新人王トーナメントも残すところ全日本新人王決定戦のみとなりました。

過去2年は西軍代表が勝ち越している全日本ですが、2024年は久々に東軍が勝ち越す予感があります。

実力は拮抗しており予想は難しいですが、各階級の見どころと勝敗予想をお届けします!

ミニマム級5回戦 杉浦義 (協栄) VS 丸山勇人(姫路木下)

試合の見どころ・勝敗予想

東日本を中心に観戦しているtorajiro的には2024年のミニマム級は杉浦義の年。

技術的にはこれからな感じはあるものの、右クロスを当てる当て感に優れており、パンチもあってフィジカルもあって尚且つスタミナお化け。

アマチュアでの確固たる実績を持っている遠藤龍匠選手を2度退けた事は自力があることの証左。

駄菓子菓子、、だがしかし、姫路木下ジムの丸山勇人選手がこの杉浦選手の牙城を崩す可能性を持った選手なんです。

杉浦選手の武器は強靭なフィジカルと手数なのですが、回転力はそこまでではない。

一方の丸山選手の回転力は早々お目にかかれない優れもの。

驚くような回転力に加えて手数も豊富で動き切るスタミナを持っています。

杉浦選手の武器をそれ以上のスピードと回転力で上回れる可能性を持った丸山選手。

アッパーも上手いので頭を下げて入ってくる杉浦選手には有効。

この試合はやや逆張りではありますが丸山選手が僅差の判定でものにするのではないかと予想します。

Lフライ級5回戦 早坂 峻(横浜光) VS 寺下 列(エスペランサ)

試合の見どころ・勝敗予想

20歳同士、高校アマ経験者同士の一戦。

  • 2023年の東日本決勝で磯金龍選手の強打に見栄えで敗れた早坂選手。
  • 2023年の西軍代表決定戦で単発とディフェンス面の差で敗北した寺下選手。

オフェンス力で課題のあった早坂選手とディフェンス面で課題のあった寺下選手が激突。

お互いの課題をどちらがより克服したかで勝敗が分かれる一戦。

早坂選手は後楽園ホールで見てきた印象では明らかにフィジカルが強くなり攻撃力が上がった。

寺下選手に関しては配信でした状況が分からないので明らかに何が変わったとは言い切れませんが、寺下選手の攻撃力とスピードは突出しています。

早坂選手がレベルアップしたのを加味しても寺下選手の牙城を崩すのは難しいと予想します。

でも気持ちとしては早坂選手に乗り越えて欲しい壁。

フライ級5回戦 佐野篤希(伴流) VS 弘田一誠(モリシタ)

試合の見どころ・勝敗予想

左ガードを下げた状態からスピーディーなボクシングを展開するのは弘田一誠選手。

伴流ジムの佐野篤希選手はしかしそれ以上のスピードを持っており出入りが速く一発もある。

速さの勝負では佐野選手に分があり、一発のパンチもある佐野選手が勝利すると予想します。

佐野選手の天井知らずな可能性は本当に楽しみ。

ただ現時点の完成度の高さで言えば弘田選手も負けてはいない。

佐野選手が持つ将来性に目がいきがちではあるが、現時点の実力は五分五分です。

Sフライ級5回戦 高橋秀太(角海老宝石) VS 村田碧(松田)

試合の見どころ・勝敗予想

西軍MVPの村田碧選手は会場でも試合を観ましたがアマチュアで23戦18勝5敗の実績に違わぬ技術レベルの高いボクサー。

突出したものは今のところ感じないが丁寧にジャブを突いて左ボディで相手を弱らせてから仕留めにかかる基本がしっかりとした選手。

新人王トーナメンをは危ない場面もないまま圧倒的な内容で勝ち上がってきました。

ただ、東軍代表の高橋秀太選手は一発のあるボクサーでガードも固く接近戦にも強い。

ジャブの上手い大橋昌彦選手との同門対決にも勝ち上がりました。

もしかしたら高橋選手のパワーなら村田選手を脅かすことは出来るかもしれない。

あくまで勝敗予想は村田選手優勢ですが、高橋選手のパワーに加えた意外な老獪さが勝る可能性も十分。

バンタム級5回戦 西屋香佑 (横浜光) VS 宮下椋至(JM加古川)

試合の見どころ・勝敗予想

圧倒的なフィジカルを身につけて進化した横浜光ジムの西屋香佑選手。

2023年の新人王トーナメントの頃と比べると遥かにパワーアップした西屋選手は、アマチュアキャリアのあるボクサー達をバッタバッタと倒して東軍を制しました。

対する西軍代表の 宮下椋至選手は技巧派サウスポー。

フットワークと前の手を駆使して相手の前進を阻みテンポ良く上下にパンチを散らす。左のパンチも多彩。

打ち合う時はしっかり打ち合うことも出来る選手。

しかし西屋選手を捌き切るのは難しく、どこかで捕まると予想します。

Sバンタム級4回戦 矢野円来(花形) VS 山本愛翔(カシミ)

試合の見どころ・勝敗予想

危険なカウンターパンチが交差するハラハラドキドキの試合になること必至の一戦。

矢野円来選手は脱力した上半身と強い下半身から嵐のような回転の中にも緩急があるパンチを繰り出す。

アマチュアで22戦15勝(7RSC)7敗の実績をもつ山本愛翔選手も若々しくテンポの速いボクシングで好戦的に攻める。

山本選手は強気で攻める中でも打ち終わりの意識はしっかりしており、打ってはダッキング、バックステップで被弾を回避するディフェンス力もある。

総合力で言えば山本選手が上かもしれない。

しかし矢野選手の緩急ある嵐のようなパンチが、まだ体の出来上がっていない山本選手を飲み込むとこの試合は予想します。

フェザー級5回戦 北本慶伍 (三迫) VS 友良瑠偉斗(真正)

試合の見どころ・勝敗予想

北本慶伍選手のパンチは会場で観戦すると思わず顔が歪んでしまうような、重たくて相手を壊すようなパンチ。

このパワーに加えて東の決勝ではアマチュアキャリアのある江田葵一選手にもボクシングをしながらしっかり勝利。

北本選手が新人王トーナメントで負ける姿は想像出来ない。

と思っていましたが、友良瑠偉斗選手も試合映像を観て衝撃を受けた選手の一人。

サウスポースタイルでフットワーク良し、上下の打ち分け良し、ディフェンス良し。

空間把握能力も長けており、相手のパンチはもらわずに自分だけが当て続ける。

北本選手はパワー勝負では負けないが、友良選手の出入りにもしかしたら翻弄されるかもしれない。

どちらが負ける姿も想像出来ない一戦ですが、友良瑠偉斗選手が思わぬ大差判定で勝利すると予想します。

何か相性的に北本選手は上手く戦えないのではという気がしています。

Sフェザー級4回戦 梶野翔太(角海老宝石) VS 瀬川欧太郎(石田)

試合の見どころ・勝敗予想

19歳同士の若手ボクサーによる頂点決定戦。

梶野選手はアマチュアキャリアのあるオールマイティな選手。

冷静さを持ちつつ勝負所は逃さない嗅覚もある選手。

対する瀬川選手はおそらく叩き上げ。

元々の運動能力の高さもあるが、試合を観ていると練習量の多さも感じる選手。

少し動き過ぎに感じる面もあるが、この階級で絶対に優勝すると予想していた中日本の新田晃生選手に勝利してここまで上がってきました。

新田選手に勝利しているという点は大きいが、この試合はそれでも梶野選手の勝利と予想します。

梶野選手はプロ4戦のうち3戦がサウスポーで、サウスポーとの試合の際は距離が噛み合わなかったり被弾したりする場面もありました。

が、オーソドックス同士の時はそれはそれは強かった。

オーソドックス同士となるこの一戦では梶野選手はインターハイ準優勝の自力を見せると予想します。

ライト級4回戦 本多俊介 (E&Jカシアス) VS 堤啓至(FUKUOKA)

試合の見どころ・勝敗予想

中間距離を得意とする両者。

182cmと長身の本多選手は日本人離れした体から放たれる多彩なジャブが武器。

そしてジャブでペースを取った上で長身から打ち下ろされる右ストレートも迫力十分。

相手が強引に前に出て押し込んでくる場面では後手に回ることもあったが、堤選手は遠い間合いで戦うボクサーのため接近戦の心配はない。

サウスポースタイルで足を使って遠い間合いから飛び込む堤選手の持ち味が本多選手に通用するかどうか。

この試合は相性的にも本多選手がポイントアウトするだろうと予想します。

Sライト級4回戦 シャオリン孝司 (協栄) VS 田下翔太(仲里)

試合の見どころ・勝敗予想

元K-1ファイターのシャオリン孝司選手はプロボクサーとしてはまだ2戦。

腰がやや高くパンチもやや伸びない接近戦主体の選手。

対する田下翔太選手はアマチュアでの実績もありプロでも4戦4勝(2KO)。

何試合か配信で試合を視聴しましたがこの選手は強い。

Sライト級ながらスピードもありバランスも良く完成度の高いサウスポー。

シャオリン選手のボクシングはサウスポーからしたらやりやすいスタイルでもある。

この試合は田下選手が大差の判定かKOで勝利すると予想します。

ウェルター級5回戦 福永啄巳(青木) VS 住田琉斗(千里馬神戸)

試合の見どころ・勝敗予想

足を使いサークリングしながらジャブを突く福永選手と、長身と長いリーチを活かしてジャブを突く住田選手による差し合い対決に注目!!

東日本の決勝で過去にKO負けしていた金子佳樹選手へのリベンジに成功した福永選手は勢いに乗っているでしょう。

試合映像だけで比較するとリーチ差でやや住田選手かな?という気もしますが、金子戦での足を使ったクレバーなボクシングを評価して福永選手がポイントアウトすると予想します。

ミドル級4回戦 吉野健二(角海老宝石) VS 永田雅樹(井岡弘樹)

試合の見どころ・勝敗予想

お互いにファイター同士。

ただ8戦している吉野選手に対して永田選手はまだ3戦2勝(2KO)1敗(1KO)。

永田選手は探り合いの時間が長いタイプで、吉野選手はガンガンと攻め切るタイプ。

吉野選手がガンガン攻めて永田選手は後手に回りながら反撃する形になる試合と予想します。

手数の差でもこの試合は吉野選手が大差で打ち勝つと予想します。

まとめ:久々の東軍勝ち越しなるか!?

以上、2024全日本新人王決定戦の見どころと勝敗予想でした。

以下の記事が示すとおりここ2年は西軍が反則レベルのツワモノを引き連れて東軍に勝ち越しています。

しかし今年の東軍は強いです。

真面目に予想したらギリギリ東軍が勝ち越すという際どい結果にはなりましたが果たして本番はどうなるか??

試合は12月21日(土)14:00からU-NEXTでも配信されます。

未来のチャンピオンがゴロゴロと出てくる全日本決定戦を是非ご視聴ください。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

torajiro

ボクシングファン歴27年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

-新人王