こんにちはtorajiroです。
K-1で活躍中の木村"フィリップ"ミノル選手がボクシングに転向します。
活動拠点となる所属ジムがどこになるかは別記事で書いたので以下をご参照ください。
▶︎木村”フィリップ”ミノルがボクシング転向!所属ジムは平仲か3150ファイト?
現状の木村選手の挑戦に対する評価としては、
- 28歳では遅い。
- 無謀。
- ボクシングを舐めている。(←そんなことないから)
- 打たれ弱いのでボクシングでは成功しない。
- 勝ったり負けたりで日本チャンピオンになれるかなれないか。
そんな感じで成功するかどうかという点に関しては否定的な意見は多いです。
だからこそ挑戦することが格好いい!!
で、木村選手の挑戦に関して、日本のボクシングの現状が一般的にはあまり理解されていないような気がしたのでこの記事を書かせていただきます。
木村選手がボクシングに挑戦する上では、その実力以上に大きな問題が日本のボクシングに潜んでいます。
木村"フィリップ"ミノル選手が主戦場とする階級
木村選手がK-1で戦ってきたスーパーウエルター級は70kg。
ボクシングの階級ですと木村選手の階級は以下の3階級辺りになるでしょう。
ウエルター級:66.68kg
スーパーウエルター級:69.85kg
ミドル級:72.57kg
ラウンド数の多いボクシングに転向してK-1時代以上に体重を落とすのは厳しいと思うので、ボクシングでもスーパーウエルター級を中心に戦っていくのではないでしょうか。
もしかしたらキックがなくなる事で足が少し細くなって、自然と体重が落ちてウエルター級でも戦えるようになるかもしれませんが、66kgまで絞るのは現実的ではない気がします。
適正階級はスーパーウエルター級でしょう。
スーパーウエルター級の日本人ボクサー数は驚愕の数字
木村選手がボクシングで活躍出来るのか、という予想の中で数戦して日本ランカーに挑戦といった予想がありました。
ではスーパーウエルター級に日本ランカーが何名いるのかというと、、、、
なんと6名(涙)。
7位以下はこの通り空位です。
現在チャンピオンは不在なので、この中の誰かがチャンピオンになったら日本ランカーは5名しかいません。
そしてですね、ランカーに挑戦するために数戦するにはノーランカーの選手が必要になりますが、現在スーパーウエルター級で4勝以上しているボクサーはなんと15名!!
木村選手はK-1でのキャリアがあるのでC級を飛び越えてB級デビューとなるでしょうが、そうすると4勝以上しているこの15名の中から対戦相手を探すしかありません。
15名と言ってもその内訳はですね、、
ランカー 6名
世界ランカー 2名
40代 1名
この計9名は木村選手の対戦相手とはなり得ないでしょう。
そうすると残りは6名です。
数戦のキャリアを積むにはこのほぼ全員と戦う必要がありますね。
デビュー戦の相手は見つかるのか??
このように対戦相手候補が殆どいない状況で果たして木村選手のボクシングデビュー戦の相手は見つかるのでしょうか。
いきなりA級ボクサーとしてデビューすることはあり得ず、B級でデビューするでしょうが、A級ボクサーに昇格するためにはB級で2勝しないといけません。
少なくとも2戦はB級で戦える対戦相手を見つける必要があります。
国内のスーパーウエルター級でB級で戦えるであろう選手は4名。
コロナ対策でこのまま海外から選手を呼べない状況が続くと、自分の適正階級にこだわっていたら対戦相手が見つからないということになりそうですね。
対戦相手不在の状況をいかに乗り越えるか
日本のボクサー数はここ15年間減少の一途を辿ってきましたが、コロナ禍でこの減少速度が一気に加速して今は危機的な状況です。
現状については以前以下の記事にまとめたのでご参照ください。
▶︎プロボクサー数調査 過去15年の日本人選手の減少数に驚愕!!
この状況で試合を組むためには、前後の階級の選手も含め、契約ウエイトで試合する等の策を取らないと難しいでしょう。
ただ、階級の幅を広げてもK-1での実績があるので名乗りを上げる選手は少ないでしょう。
選手個人が戦いたいと思っても安全面を考慮してジム側が断る可能性もあります。
ファイトマネーも含め余程魅力ある興行にしないと名乗りを上げる選手は出てこないでしょうね。
木村選手はパワーがあるので、ミドル級のB級ボクサーと、ミドル級もしくは契約ウエイトで試合をするのが現実的な路線ではないでしょうか。
まとめ
木村"フィリップ"ミノルというビッグネームが折角ボクシングに来てくれたのだから、試合が決まらず飼い殺し状態になることだけは何とか避けたいところです。
何でこのタイミングでボクシングに転向したのかなって思いましたけど、K-1の選手名鑑を見て納得しました。
K-1のスーパー・ウエルター級も現役で活動している日本人選手は殆どいませんでした。
選手名鑑の人数をカウントしたら50名程いたのですが、半数以上は外国人選手で、残りの日本人選手のうちまた半数程が引退状態の選手でした。
なので活動している選手の実数で見たらボクシングと同数もしくはそれ以下でしょう。
その中で頂点極めた上で同じ対戦相手と再戦をし続けるのはモチベーション的に苦しかっただろうなぁ。
早くコロナ禍が明けて海外から選手を呼べるようにならないと格闘技全般ホントやばいっすね。
コロナ禍が明けても国際比較で賃金低下が凄まじい日本のマネーでは、海外から選手を招聘するのも以前のように簡単にはいかないし、どんどん日本人選手側が出稼ぎに行かないといけない時代が目前に迫っている気がしてなりません。
でもですね、そうした逆境だからこそ挑戦する選手達はめちゃくちゃ格好いいと思います。
木村選手がボクシングを盛り上げて、再びこの階級も盛り上がって選手が増えてくれることに期待しましょう!!