こんにちはtorajiroです。
JBCの2021年度の事業報告書、財務諸表が発表されました。
既にJBCは財務悪化による解散が決まっていますが、1年以内にスポンサーが見つかって赤字が解消されれば復活の可能性もあります。
そこで財務諸表、事業報告書から再建の可能性を考えてみました。
財務諸表からは赤字体質が改善される可能性の低い事は良く分かりましたが、事業報告書からは明るい兆しも見えてきました。
プロテスト受験者がコロナ前の水準に回復
プロテストの受験者はここ数年500〜600人台で推移していましたが、コロナ禍の2020年度に327名まで減ってしまいました。
が、2021年度のプロテスト受験者は584名と再びコロナ禍前の水準まで回復してくれました。
コロナ禍を経てもプロボクサーになりたいと思ってくれる選手達が減っていない事に心から安堵しています。
コロナ禍で心が折れてしまった練習生もたくさんいたんじゃないかと思いますが、それでも夢を諦めずに挑戦してくれる方がこれだけいることには感謝しかないです。
JBCの解散に伴うゴタゴタでプロテストの受験機会が減るような事だけはないようにして欲しいですね。
プロボクサー数は5年ぶりに増加
プロテスト受験者が増えた事で、プロボクサー数も2020年度の1,417名から1,718名まで回復しました。
コロナ禍前は海外から呼んでくる外国人ボクサー数も200名以上おり、その数も合わせて2,000名程度の水準でしたので、日本人ボクサー数で見ればほぼコロナ禍前の水準に戻ったとも言えます。
ただ一点、A級ボクサー、B級ボクサーが引き続き減少しており、コロナ禍前と比べるとA級、B級合わせて300名程減っている状況はとても心配な点です。
ボクサー数が減ることで試合枯れして引退していく悪循環からはまだまだ抜け出せていません。
ボクシング興行数も増加に転じる
コロナ禍で2020年度の興行数は90と、2019年度の半数近くまで減少しました。
2021年度はここから回復し、2021年度の興行数は147まで持ち直す事が出来ました。
ある程度は持ち直したとはいえ、2021年度も再三の試合延期もありましたし、まだまだコロナ禍前まで戻すことは出来ませんでした。
2020年度は余程重症化リスクの高い変異株が出てこない限りは緊急事態宣言や蔓延防止措置が出されることもないと思うので、せめて2019年度の水準までは回復して欲しいところです。
それでもJBCの赤字は増加
JBC解散報道の際のJBC側の説明として、コロナ禍で試合が組めなかった事から収入が大きく減り赤字となったと説明がありましたが、これは半分本当、半分嘘。
JBCの正味財産はコロナ禍以前から年度毎の収支は毎年赤字で貯蓄を食い潰している状態が続いていました。
コロナ禍で収支の悪化に加速がかかったのは事実ですが、コロナ禍がなくとも遅かれ早かれ赤字に転落していたというのがJBCの実情でした。
2021年度もプロテスト受験者もプロボクサー数も興行数も改善しましたが、正味財産は更に1,500万減り、マイナス4,000万。
仮に興行数がコロナ禍以前の水準に戻っても、年度収支のマイナスがプラスに転ずる可能性は低いでしょうね。
スポンサーが見つかっても現状の継続は困難
JBCはスポンサーが見つかり1年以内に赤字が解消されれば復活という道も残されています。
ただ、コロナ禍以前から年度毎の収支は赤字だった訳で、支援で赤字が解消されてもまた放っておいたらすぐ赤字に戻ってしまうでしょう。
一時的に赤字が解消されてもこのままの体制では持続が不可能。
ライセンス料を上げるという話も出ていますが、まずは業務全体を見直し、経費削減、人件費削減といった自助努力をしない事には受け入れられない提案でしょう。
まとめ
2021年度のJBCの事業報告書、財務諸表から以下の事がわかりました。
- プロテスト受験者はコロナ禍前の水準に戻る
- 日本人プロボクサー数もほぼコロナ禍前の水準に戻る
- プロボクサー数自体は戻ってきたが、A級・B級ボクサーは引き続き減少
- 興行数も増えたけれど、まだコロナ禍前までは戻っていない
- 一定の好転はあったもののJBCの正味財産は赤字が更に増えている
ボクサー数が戻ってきている事は嬉しい情報ですが、A級・B級ボクサーの減少に歯止めがかかっていない点は大きな不安材料です。
財務についてはコロナ禍がなくともJBCの正味財産は何年もの間年度収支は赤字で貯蓄を食い潰している状況だったので、遅かれ早かれ赤字に転落していました。
仮にスポンサーが見つかってJBCが復活して存続することになっても、今の体制のままでは赤字体質は変わりません。
仮に存続したとしても根本から業務を見直さない限りまたすぐに再度解散する事になってしまうでしょう。