こんにちはtorajiroです。
亀田興毅氏がファウンダーとなって立ち上げた新たなボクシング興行3150FIGHTに皇治選手がエキシビジョンで参戦します。
ジリ貧の日本ボクシング界にとってはとても喜ばしい取り組みだと個人的には思っていますが、反対意見もそれなりにあるようです。
この記事では、
ネット上で見かけた反対意見を整理した上で、
日本ボクシング界が陥っている危機を紹介し、
亀田路線に対する批判の声に対する持論
を述べています。
亀田興毅氏の3150FIGHTに対する批判
では初めにネット上で見かけた皇治選手のエキシビジョン等の3150FIGHTの取り組みに対する批判の数々を紹介します(と言っても意外と少なかった)。
- ボクシングの威厳が落ちる
- ボクシングはショーじゃない
- 内山さんらレジェンドに絡んで欲しくない
- ボクシングを馬鹿にしている
- ボクシングを金儲けに使うな
- こんなことするからプロボクサーが減る
- 亀田には別の団体を立ち上げてやって欲しい
- ボクシングファンで亀田を求めている人なんていない
- 本物の実力が評価されている中で今更亀田じゃない
- 井上、井岡、本物のボクサーが引っ張ってくれる
- 亀田は自分が目立ちたいだけ
ボクシングの威厳というものが何なのかよくわかりませんし、格闘技は客商売のショーだし金儲け出来なければそもそも存続出来ないとは思うのですが、要約すれば「批判者自身が持っているボクシングのブランドイメージを壊して欲しくない」という事と解釈しました。
「別な団体を立ち上げてやって欲しい。井上、井岡が引っ張ってくれる。」そうした声も何か新しい試みをするのではなく、純粋に今までの路線を踏襲して欲しいという想いの裏返しと受け止めました。
変化を好まない面は人間誰しも持ち合わせていますし、自分の中にもそういう気持ちはあります。
皇治VSヒロキングと辰吉VSシリモンコンを比較され、「やっぱ皇治が最高!」なんて言われちゃったらムッとすると思います(あり得ない比較でしょうが笑)。
ですが時代は移りゆくもの、永遠はないのです。時代の変化に抗い変わらずにいても、現代から共感を得られなくなり、選手もファンも少しずつ減っていく道が待っています。
昔の伝説的なボクサー拳聖ピストン堀口氏が絶大な人気を博したのも、戦時中の精神論と堀口氏のファイトスタイルが重なり、時代を背負って戦ったからこそ。
大衆から共感を得られなければマネタイズ出来ず、いくら高尚な理念を掲げても沈没を待つのみです。
日本ボクシング界が陥っている危機
では今の日本ボクシングが一体どのような状態なのかと言うと、プロボクサーはこの15年で半数以下に減り、JBCは恒常的な赤字体質から抜け出せず、一時清算法人となっていました。
幸い東京ドームからの支援でJBCの解体はギリギリ免れましたが、このまま単年度の収支が赤字であればいずれまた同じ状況が待っています。
プロボクサー減少の危機、JBCの財務問題それぞれ詳しくは以下の記事をご覧ください。
▶︎プロボクサー数調査 過去15年の日本人選手の減少数に驚愕!!
▶︎JBC解体の危機!?正味財産とボクシング興行数の推移から見た今後
一昔前「チーズはどこえ消えた」という本がブームになりましたが、今の日本ボクシングが正にその状態で、このまま今あるチーズを食べ続けていたらいつの間にはあったはずのチーズはどこにもなくなってしまいます。
誰かが新しいチーズを探しに行く、つまりファンや未来のボクサーの開拓をしないと市場規模は縮小の一途を辿ることになります。
3150FIGHTの路線に対する批判への回答
上述の通り日本のボクシング界は選手が減り、JBCは恒常的な赤字から抜け出せず危機的な状況です。
井上尚弥選手、村田諒太選手、井岡一翔選手で盛り上がっているように見えますが、一部の限られたトップ選手だけでボクシングを存続させていくことは出来ません。
日本のボクシングを全体として存続させていくには、プロボクサー数が一定数いて、試合数が確保され、会場に観客が入り、テレビやネット、PPVで試合が中継される機会を増やす必要があります。
でないとJBCが再び赤字に転落してしまうので。
3150FIGHTのエンタメファイトや皇治選手のエキシビジョンマッチは新規のボクシングファン開拓に向けた取り組みなので、今あるものを楽しんでいる既存のファンにとっては違和感があるかもしれません。
しかしいくら王道のボクシングを提供し続けていても、既存のファン以外の目には止まりません。
同時並行で新しいチーズを探しに行く取り組みは必須。
例えばネット上でバズるようなネタを提供したり、選手がボクシング以外のフィールドで名前を売ったり、著名人がボクシングに関わったりしないとボクシングを知ってもらう機会が創出されません。
3150FIGHTのようなパイを広げる取り組みを誰かがやらないと、10年先には悲惨な未来が待っている事は明らかです。
という前提の元に、冒頭で紹介した批判に対する回答を述べさせていただきます。
- ボクシングの威厳が落ちる
→威厳が何を意味するかは分かりませんが、今あるものを守りたいという事であれば、威厳を保とうとすればするほど、新しいものが生まれず市場規模は縮小の一途を辿るでしょう。 - ボクシングはショーじゃない
→ボクシングはショーです!ガチのエンターテイメントを提供し、お客様からお金をいただいております。ここは本当に重要なポイントだと思います。「武士は食わねど高楊枝」の精神でプロボクサーやってても、金のある選手に練習環境で負けて勝てません。 - 内山さんらレジェンドに絡んで欲しくない
→一緒にボクシングを盛り上げたいという想いをシェアした対等な関係に見えます。 - ボクシングを馬鹿にしている
→ボクシングを馬鹿にしているならしがらみが多くて大変なボクシング界に飛び込む訳が無いです。そもそも馬鹿にしている相手とわざわざ付き合う人なんていませんよね。 - ボクシングを金儲けに使うな
→今儲からなくて困っているから儲かる仕組みを作ろうとしているところです。プロスポーツは儲からないと存続出来ません。3150FIGHT Vol3は4回戦ボクサーのファイトマネーも破格の12万円現金支給。安いと思うかもしれませんが、これは超破格な待遇です。それぐらい儲かっていないのがボクシングなんです。 - こんなことするからプロボクサーが減る
→その逆で、儲からなくてプロボクサーも減って悲惨な状況を何とかしたくて亀田興毅氏はボクシング界に戻ってきました。 - 亀田には別の団体を立ち上げてやって欲しい
→そっちの方が亀田氏本人も楽だしお金も稼げたと思います。 - ボクシングファンで亀田を求めている人なんていない
→自分の周りでは期待の声が圧倒的です。少なくとも自分は亀田興毅氏をボクシングを危機から救ってくれる存在だと思っています。3150FIGHTは地方ジムの選手にもスポットを当ててくれますし、派手さだけでなく泥臭い面も持ち合わせています。 - 本物の実力が評価されている中で今更亀田じゃない
→PFPの10傑に入るようなボクサーですらそこまで稼げていなかったのが日本人ボクサーの実情です。世界チャンピオンですら軽量級だと1試合で1,000万稼げたら良い方。一流企業のサラリーマンの方が稼げています。井上尚弥選手クラスまで行けば実力だけでも行けますが、知名度はとっても大事です。 - 井上、井岡、本物のボクサーが引っ張ってくれる
→それも一つですが、色んなボクサーがいるから自分もプロボクサーになってみようと思うもの。加えて新規のボクシングファンを増やしていくためにも、もっと別なアプローチも必要になってきます。 - 亀田は自分が目立ちたいだけ
→自分が目立ちたいだけならABEMAやYouTubeで別競技の格闘家とコラボしていった方が自分が目立てるし楽だと思います。
以上です。
まとめ
亀田三兄弟が現役だった時代、色々あったにせよ、ネット上のアンチ系の声に流されたJBCが亀田三兄弟を事実上日本から排除してしまいました。
その結果、河野公平選手は海外で亀田興毅氏と対戦。ビッグネームの亀田興毅に勝ったにも関わらず話題にはならず、河野選手はスーパーヒーローにはなれませんでした。
亀田三兄弟があのまま日本で活動が出来ていれば、もしかしたらスーパーフライ級に階級を上げたばかりの井上尚弥選手との対戦もあったかもしれませんし、キャリアの晩年には他の日本人選手との対戦もあり得たと思います。
第二の内藤大助氏のような存在が生まれていたかもしれません。
プロボクサーが減りJBCの財務が加速度的に悪化していた時代に、もし亀田三兄弟が日本にいたら、今みたいな危機には陥っていなかったのではないかと僕は思っています。
異質なものを排除する集団に未来がない事は歴史が証明しております。
色んな声を内包しつつ発展していく組織が最後には生き残ります。
アンチな意見に対する個人的見解は述べさせていただきましたが、上記はあくまで僕のスタンスで、批判的な意見も勿論あって然るべきだと思います。
3150FIGHTの路線に共感出来ない方は、PXB等の他の興行を応援するのが良いと思います。
そうしてそれぞれの興行にファンがついて、いつか「3150FIGHT VS PXB」みたいな興行同士の対抗戦が実現できたら盛り上がるんじゃないかと期待しております。
「3150FIGHT VS A-SIGN」が実現できた暁には、ベジータ石川 VS 山口拓也のエキシビジョンマッチが見てみたいです。