こんにちはtorajiroです。
ボクシング界の喧嘩番長和氣慎吾選手がボクシング界のキワモノボクサー中川麦茶選手に敗戦。
これまでの実績からすればアップセット、まさかの敗戦という見方になりますが、この試合に関しては試合前も試合中も「何かが起きるのでは」という予感がありました。
水谷直人戦で感じた和氣慎吾選手の変化
和氣選手の前回の試合は2022年6月23日。
KG大和ジムの水谷直人選手に7RTKO勝利。
7Rまでのポイントもリードしていて、結果だけ見ると完勝だったのですが、どこか危なっかしさを感じる試合内容でもありました。
動きにどこか躍動感がなく、ロープに詰まる場面が多くパンチを打ち抜けていないような印象。
水谷選手のパンチをもらいバランスを崩す場面も見られ、中盤まではポイントはリードしているが水谷選手の一発が当たればどうなるか分からない展開でした。
「どうしたのだろう和氣選手?」
「自分が知っている和氣選手ではない。」
そう感じたファンの方も多かったのではないでしょうか。
中川麦茶選手と向かい合った時のサイズの違い
前回の試合内容が良くなかった上での今回の曲者キワモノボクサー中川麦茶戦。
中川選手もSバンタム級の中では長身でリーチのある選手。
身長は和氣選手と同じ175cm。
しかし両者が向かい合った時に中川選手の方が背中まわりのデカさを感じさせました。
和氣選手の試合は10数年前から試合会場で何度も観ていましたが、サイズ感で和氣選手が負けているなと思ったのは初めてでした。
一発の差とパンチをもらった時の印象
何かが起きるのではという予感を抱かせながら始まった和氣VS中川戦。
序盤は和氣選手が上下に左を散らして先制。
水谷戦よりも足を使えており、前回ほどの「どうしたのかな?」という出来ではない。
中川選手の圧力に下がらされている印象もあるが、有効打で優っているのは和氣選手でした。
ただ、中川選手は腰を落とし、お尻に体重を乗せて一発一発力強いパンチを打ち込むので、一発当たればどうなるか分からない怖さがありました。
解説の小原選手も「中川選手の方が怖さがある。」と話していましたが、中川選手がパンチをもらっても気にせず前に出るのに対し、和氣選手はガードの上からでももらうとバランスを崩していたので、ポイントはリードしていても危うさを感じさせる展開でした。
衝撃のダウンと脱臼
和氣選手のやや優勢で進んだ3R目、このラウンドは中盤に和氣選手が左ストレートで中川選手のバランスを崩し、ポイントを取ったかに見えたラウンド終盤、両者フックからストレートを狙うが、重心低く構えていた中川選手の方が一歩早く右ストレートを打ち込みダウンをゲット。
距離が詰まっていたのでタイミングで倒れたという見方も出来ますが、和氣選手も左を打ちに行こうとしていたのでカウンターが入ったダメージはあったものと推察されます。
続く4R目、中川選手のジャブと和氣選手の右フックが交差した場面で和氣選手が脱臼。
中川選手の左が和氣選手の頭まで伸びていたので、これがつっかえ棒のようになって右肩が外れてしまったのだと思います。
中川麦茶選手が選んだ作戦
普段の中川麦茶選手はジャブを突きながら中間距離で戦う技巧派。
そのスタイルを封印し、和氣戦ではやや後ろ重心でお尻に体重を乗せ、常に右ストレート力強く打ち込める状態を保っていました。
中川選手が普段のスタイルで戦っていたら、もしかしたら有効打の差で和氣選手がポイントアウトしていたかもしれません。
耐久力と一発のパンチ力で自分の方が勝っていると信じていたからこそ取れた作戦のように思いました。
あと中川選手は目が良いのでジリジリ距離を詰めるスタイルでもクリーンヒットは回避出来ると見ていたのでしょう。
和氣選手の今後は?
2戦続けてパワー負けしてしまう印象を与え、ダウンを奪われ脱臼しての敗戦。
「年齢的にもそろそろ」と思われてしまう内容だったかもしれませんが、仮に自分だったらこれで引退は悔いが残りそうです。
まだまだスピードも攻撃力も健在ですし、客を呼べる人気のある選手。
チャレンジャー的な立場で大きな舞台のリングに上がる和氣選手が観てみたいです。
中川麦茶選手はこれでランキング入り確実でしょうが、今後も誰とでも戦うスタンスで会場を盛り上げて欲しいです。
個人的には大橋ジムの中嶋一輝選手との試合が観てみたいです。