こんにちはtorajiroです。
ABEMAでボクシング専門チャンネルが新設される事が発表されました。
ボクシングファンとしてはとても喜ばしいニュースな一方で、いくつかの疑問が頭をよぎった方もいると思います。
- ボクシングで専門チャンネルを新設してもコンテンツがないのではないか?
- ABEMAはボクシングの専門チャンネルを新設しても採算が取れないのでは?
- なぜABEMAは採算が取れそうにないボクシングで専門チャンネルを新設出来たのか?
- ABEMAにとってボクシングの専門チャンネルを新設するメリットはあるのか?
こうした疑問点について、ボクシング動画配信サービスの現状やABEMAでボクシング専門チャンネルが新設された経緯を簡単に紹介した上で考えていきたいと思います。
ボクシング動画配信サービスの現状
現在ボクシングの動画は様々な動画配信サービスで配信されており、ボクシングファンの立場からしたらこの乱立状態はとても悩ましい状態です。
配信サービスは海外と国内で分かれていますがざっと以下のような状態。
海外ボクシング
いずれも月額2,000円台ですが、海外ボクシングに関してはボクシングファンであればコンテンツの充実度的にも番組の質的にもWOWOWを選ぶでしょう。
海外ボクシングに関しては選択肢にそこまで迷いはないはず。
国内ボクシング
一方の国内ボクシングに関しては現在乱立状態で応援する選手が誰かによっても選択肢が異なってきます。
- ABEMA(3150FIGHT,PXB等多数の試合を配信)
- dTV(PXBの試合を配信)
- Paravi(井岡一翔選手の試合は基本Paravi)
- FOD(三迫ジムの興行やPXBを中心に配信)
- amazon prime video(基本ビッグマッチのみ)
- G+(帝拳興行や全日本新人王決定戦等)
- BOXING RAISE(DANGANプロモーションの興行を中心に多数の試合を配信)
興行によって視聴出来る配信サービスが異なるので困ったものですが、この中で唯一無料で視聴可能なサービスがABEMA。
ABEMAも追っかけ再生や見逃し再生をするためにはABEMAプレミアムに加入する必要がありますが、配信される試合数も充実しており気軽にボクシングに触れる上では一番便利なサービスがABEMAであると言えます。
>>ABEMAの公式サイトはこちらからABEMAでボクシング専門チャンネルが新設された経緯
ABEMAでボクシング専門チャンネルが新設された経緯としては3150FIGHTのファウンダーである亀田興毅氏の尽力がありました。
過去にはボクシング界で物議を醸した「亀田興毅に勝ったら1,000万企画」や「亀田和毅選手の暫定王座戦」もABEMAで配信されており、亀田とABEMAはセットな関係が続き、昨年ついに3150FIGHTが始動。
3150FIGHTも初めのうちはそこまでのインパクトを残す興行とはなりませんでしたが、徐々に影響力を広げていき、3150FIGHT vol.3で大爆発。
同時並行で3150FIGHT以外のボクシング興行の配信も増えていきましたが、その背景には亀田興毅氏の働きがあったと言われています。
そうした流れの中で、この度ABEMAでボクシング専門チャンネルが新設される運びに。
ABEMAはボクシングで専門チャンネルを新設してもコンテンツがないのではないか?
さてここから多くの方が疑問に感じるであろう点について考えていきます。
初めにABEMAでボクシングの専門チャンネルを新設してもコンテンツがないのでは?
という疑問ですが、その答えはABEMAから発表されたニュースの中に書かれていたので引用します。
ボクシングにおいても、これまでさまざまな興行を生中継してまいりましたが、ボクシングというスポーツの持つ伝統や、数多くの名世界王者やオリンピックメダリストを輩出してきた歴史と選手層の厚み、世界的な熱狂の広がりを背景に、2023年より「ボクシングチャンネル」を新たに開設することを決定いたしました。なお、「ボクシングチャンネル」は、興行の中継に応じて都度チャンネルが立ち上がります。
新しい未来のテレビ「ABEMA」、ボクシング専門の「ボクシングチャンネル」を新設 1月6日(金)より各興行のタイトル戦などを中心に続々と生中継
オレンジ色にハイライトした部分ですが、要するに「格闘チャンネル」のように常にチャンネルが立ち上がっている訳ではなく、興行がある時に都度立ち上がる形なので常に枠を埋めるコンテンツを用意する必要はありません。
この点「なんだぁ」とガッカリする方もいるかもしれませんが、枠を用意してもそれに見合ったコンテンツを現状では用意出来ない以上、止むを得ないと思います。
格闘チャンネルのように気が向いた時にチャンネルを回せばボクシングがやっているという訳ではないのでその点はご注意ください。
そうなるのはもっと先の未来。
興行中継に応じて都度チャンネルが立ち上がるなら今までと何が違うの?
そう疑問に思われる方もいるでしょうが、チャンネルが立ち上がった事で以下の変化が生じると期待されます。
- ABEMAで配信される試合数の増加。
- ユーザー側がABEMAで試合中継されている事に気づき易くなる。
- 過去の配信動画を探し易くなる。
これまではボクシングファンからも「ABEMAで中継されていた事に気づかなかった」という声が聞こえてきましたが、その点は専門チャンネルが出来る事で改善され、広報効果が高まるでしょう。
更に過去の試合もボクシングのカテゴリーの中から探せるようになるので検索した際に見つけ易くなると考えられます。
既にジャンルで格闘を選択した画面上にBOXINGの枠が設けられていますが、今後はここを選べばボクシングのコンテンツが確認出来るようになるものと思われます。
ABEMAはボクシングの専門チャンネルを新設しても採算が取れないのでは?
続いてボクシングの専門チャンネルを新設しても採算が取れないのでは?
という疑問点について考えていきましょう。
先に結論を申し上げると短期的に見た採算面では赤字になるだろうと思われます。
現状のボクシング人気では、井上尚弥選手のような注目度の高い選手でないと視聴者は集まりません。
専門チャンネルが開設されたからと言ってそれだけでそこに視聴者が集まるとは考えられず、今回のチャンネル開設は先行投資的な位置付けになってくるでしょう。
ABEMAでまだ無名の選手の試合も専門チャンネルで配信していく事で、
- 複数の興行がABEMAで配信される
- その中からスター選手が出て来る
- 視聴者が増えてボクシング人気の底上げがなされる
といったステップで世間のボクシングへの関心が高まって行けば、後々先行投資した分は回収していけると思います。
専門チャンネルが出来た事で、格闘チャンネルの中に埋もれていたボクシングが今までよりも見つけられ易くなることも期待出来るでしょう。
なぜABEMAは採算が取れそうにないボクシングで専門チャンネルを新設出来たのか?
最後に元々ボクシング専門のBOXING RAISEを除き、なぜ他の配信サービスでは出来なかったボクシング専門チャンネルをABEMAで新設出来たのかに触れていきます。
実質専門チャンネル化する土壌は出来上がっていた
今回の専門チャンネル化はいきなり亀田興毅氏が相談して立ち上がった訳ではなく、着々と土壌を整えた上での専門チャンネル化と考えられます。
3150FIGHTがABEMAで中継されるようになって以降、様々な興行がABEMAで配信されてきた事を以前以下の記事で取り上げました。
>>ABEMAで視聴可能なボクシング興行まとめとお勧めの大画面視聴方法
上記記事で紹介しましたが、既に3150FIGHTの他にもこれだけの興行がABEMAで配信されています↓
- PXB(フェニックスバトル)
- DANGAN
- LIFE TIME BOXING FIGHTS
- REAL SPIRITS
- ファイティング・スピリット・シリーズ
着々と作り上げてきた土壌を整理して形にしたものが今回の専門チャンネル化であり、事前に足場は出来ていたと言えます。
広告事業・メディア事業で得た利益をメディア事業に投資できる
ABEMAを運営するサイバーエージェントは広告事業・ゲーム事業で得た利益をメディア事業に投資していける点が大きな強みです。
サイバーエージェントの2022年度通期決算を見るとメディア事業は124億円のマイナスながら、広告事業とゲーム事業で利益を上げておりトータルの営業利益は691億円のプラス。
サイバーエージェントは過去にもアメブロやスマホゲームに先行投資し、中長期で柱となる事業に成長させてきました。
メディア事業はまだまだ先行投資している段階ですが、営業損益のマイナス幅も縮小してきており、広告事業、ゲーム事業に続く収入の柱へと進化する道が見えてきました。
- 既にチャンネルを新設する上での土壌が出来上がっていた。
- 他の事業で利益を出しており、先行投資に回す予算もある。
この2点がABEMAがボクシング専門チャンネルを新設出来た大きな理由と言えるでしょう。
ABEMAにとってボクシングの専門チャンネルを新設するメリットはあるのか?
最後にABEMAにとってボクシング専門チャンネルを新設するメリットについて考えていきます。
乱立する配信サービスの中で突き抜ける事が出来る
いくら亀田興毅氏の尽力があっても、サイバーエージェントも営利企業なので長期的にプラスになる見込みのない分野には投資しないはず。
現状のボクシング配信は冒頭で触れた通り複数の配信サービスが乱立している状態で、どこかが明確にシェアを獲得出来ている訳ではありません。
この乱立状態の中で先行投資して専門チャンネルを立ち上げれば、大きくシェアを獲得出来る可能性が高いです。
加えて3150FIGHT vol.3の盛り上がりでボクシングもキラーコンテンツとなり得る可能性がある事が証明されました。
目先の利益ではなく、中長期的に見たシェアを獲得出来れば、井上尚弥選手のようなネクストモンスターが現れた時にその試合をABEMAで中継出来る可能性がグンと上がります。
ついでにtorajiroブログでも次世代の井上尚弥選手として5名ピックアップしてみましたので、もし興味がありましたらご覧ください↓
>>井上尚弥に続く次世代のモンスター5選〜現役プロからミライモンスターまで
日本ボクシング界には近い将来世界を震撼させるミライモンスター達が控えています。
彼らの試合をABEMAで配信出来れば大きなマネーが動く事は間違いないはず。
まとめ
今回の記事のまとめです。
- ボクシング中継は現在配信サービスが乱立している状態。
- ABEMAでボクシング専門チャンネルが新設された背景には亀田興毅氏の尽力があった。
- コンテンツはまだ不足しており、興行の中継に応じてチャンネルを立ち上げる形で運用予定。
- 短期的に見ればボクシング専門チャンネルで採算を取ることは難しいと思われる。
- サイバーエージェントは広告事業・ゲーム事業で利益を上げており、メディア事業が赤字でも先行投資することが可能。
- 配信サービスが乱立する中、先んじてボクシング専門チャンネルを立ち上げる事で市場のシェアを獲得出来れば、ABEMAにとっても中長期的に見れば大きなメリットがある。
といったところでABEMAにボクシング専門チャンネルが立ち上がったのだろうと分析してみました。
この決断によってABEMAがボクシング市場のシェアを拡大に成功し、将来的にボクシング人気が底上げされていく中でスター選手が現れ、その試合をABEMAが独占配信出来れば大成功と言えるでしょう。
大きな可能性を秘めたABEMA。
このABEMAを思い切り堪能するには見逃し配信、追っかけ再生可能でPPVも20%オフで購入可能なABEMAプレミアムに加入することをお勧めします↓