こんにちはtorajiroです。
近所でボクシングに興味を持ち始めた少年を誘ってボクシング観戦に行ってきました。
初めて見るなら軽量級から重量級まで見られる新人王トーナメントが良いと思い、今回のオール4回戦をチョイスしました。
チケットはFLARE山上ジムの熱いファイター河村慎司選手から購入させていただきました。
第一試合には間に合わなかったので第二試合からの観戦記となります。
第一試合に出場された武藤選手はジムを渡り歩いて花形ジムで連敗脱出。スタイル的にも花形が合っていたのかもしれませんね。勝谷選手は連勝が止まってしまいましたが、まだまだこれから頑張ってください。
バンタム級4回戦 エアー大内(ワタナベ)VS松井洋太(三迫)
松井選手は頭をくっつけてのボディ狙い。
1R目、大内選手は足を使ってジャブをつきながらコンビネーションから右を当ててポイントをリード。
大内選手、動きは良いけれど右ストレートが手打ち感あり。ダメージを与えるパンチになっていないので後半追い上げられるかも。
2R目も序盤は大内選手が1R目同様に良く動いて右をヒットさせるが、2R目終盤になると松井選手がボディから追い上げにかかる。振り分けの難しいラウンドとなりました。
3R目はこのまま松井選手に流れが傾くかと思いきや、大内選手が頑張りを見せて有効打で上回る。
4R目もお互い手数を積極的に出すが有効打でも手数でも大内選手が上回り試合終了。
判定は3者とも39対37でエアー大内選手の勝利。
僕の採点はフルマークで大内選手でした。
松井選手は基本スタイルは変えずに、ジャブワンツーと基本のパンチを練習しても良いのかなと思いました。
エアー大内選手は右ストレートが課題ですね。
Sフライ級4回戦 本郷智史(輪島スポーツ)VS永里翔(レパード玉熊)
1R目は互角の展開ながら、永里選手の打ち終わりに何度も返しのパンチを当てていた本郷選手の優勢とみました。永里選手は攻防が分離していて、このラウンドに関しては若干見栄えが悪かったです。
2R目に入ると永里選手のギアが上がり、ボディを起点としたパンチが有効にヒットしていました。ボディからのワンツー良かったです。
3R目もボディからワンツーをヒットさせ、一気にまとめてレフェリーストップ。
本郷選手1R目は良かったですが、徐々に永里選手の勢いに飲まれていった印象でした。
永里選手はボディ打ちが良かったです。ガードを固めている時にもう少し打ち終わり狙えても良かったかなと個人的には思いました。
Lフライ級4回戦 服部凌河(横浜光)VS小林航大(E&Jカシアス)
1R目は距離を詰めようとする服部選手に対し小林選手がジャブを軸に中間距離で戦う展開。
ラウンド後半になると早くも服部選手が小林選手のジャブに右を合わせるように。
カシアス陣営からもジャブに合わされてること、スウェーで避けるのは危ないと小林選手に指示は出ていましたが、危ない場面が何度も。
まだ右の入りは浅かった事と、中間距離で手数を出していた点から、1R目のポイントは小林選手につけました。
2R目になると更にタイミングが合い、右がドンピシャで決まり服部選手がダウンを先取。
再開後、再度ワンツーが決まりレフェリーが試合をストップ。
小林選手はジャブの打ち終わりに右を合わされていたので、打ち終わりスウェーで避けるだけでなく、インサイドに頭入れられたら良かったかな。結果論ですけど。
服部選手は飛び込みの左も良かったですし、しっかり練習している運動能力の高い良い選手だと思いました。すぐに上のレベルに駆け上がっていくでしょうね。
Lフライ級4回戦 内村亮斗(ワタナベ)VS赤堀大地(三谷大和スポーツ)
1R目、赤堀選手が上手い。ジャブから試合を作り右もヒット。ペースは完全に赤堀選手ですが、内村選手はガードが恐ろしく固い。油断は出来ない展開ながらポイントは赤堀選手。
2R目に入ると赤堀選手サイドはイケイケ。倒せ倒せと言った声も陣営?から聞こえてくる。
しかし内村選手は劣勢ながらもガードをしっかり固めてそこからワンツーをヒット。これで赤堀選手はグラつくと、流れは一気に内村選手へ。
3R目はダメージの残る赤堀選手はくっついてのボディの打ち合いに持っていく。
良い作戦だと思いましたが、やはりダメージが残っており、空間が出来たところで内村選手のワンツーから更に右が入り赤堀選手ダウン。
立ち上がりましたがダメージが大きかったためここで試合終了。
赤堀選手は2R目に攻め急いだ点が悔やまれます。内村選手はしっかりガードしていたのであそこは行くべきではなかったかなと。
内村選手はまだ19歳と若く、ガードが固くパンチもあり、なかなか面白い選手でした。表情も全く変わらないので対戦相手にとっては嫌ですね。
バンタム級4回戦 河村慎司(FLARE山上)VS熊谷祐哉(M.T)
スピードで熊谷選手が河村選手を凌駕出来なければ、後半河村選手が巻き返すと予想したこの一戦。
スピードでは熊谷選手ですが、河村選手は思った以上に足が動いて熊谷選手のパンチに反応出来ていました。浅いながらも左を当てに行き、悪くない立ち上がり。
これなら後半で河村選手が捕まえるかなぁと思った矢先、河村選手がジャブを打ちに行き上体がやや前のめりになったところに、熊谷選手は体を左にずらしてパンチを外し左フックをヒット。
この一発で河村選手が前のめりに倒れ試合終了。
自分の席からはやや後頭部気味にパンチが当たっているように見えたのでダメージが心配でした。
熊谷選手はスピードもパンチのキレもありますが、以前からガードの低さが気になっているので、打ち合いになった時にそこがどう影響するか。上の写真でもサウスポー相手に右ガードガラ空きなのでかなり危ない。。
河村選手は攻めに行く時に前のめりになる点を今回狙われましたが、距離を詰めるまでの戦い方が今後の課題ですかね。
河村選手は体幹が太くてスタミナもあるので、お腹を凹ませる意識で重心を落とし、体の中心から動けるようになったらもっと良さが出るんじゃないかと思っています。ドローインとか練習メニューに取り入れてみたり。
負けはしましたが、河村選手の敗れた後の振る舞いは好感が持てました。相手選手を讃え、客席にしっかりお礼して、ボクシング愛のある選手!!
リングの上って勝っても負けても興奮していて人間性が出てしまうもの。彼の態度は素晴らしいと、おじさん偉そうに感心。
フェザー級4回戦 宮本しょうぐん(セレス)VS山下翼(齊田)
山下選手は入場してきた時点でハードパンチャーの空気が伝わってきました。
隣で観戦していた少年にも「ありゃ絶対ハードパンチャーだ」と耳打ち。
一方の宮本しょうぐん選手は前回の試合を会場で観戦しましたが、腰が引けたスタイルで真っ直ぐのパンチに腰が入らず、試合は勝ちましたが終盤もやや消極的に見えて課題の残る勝利でした。
試合が始まると山下選手は案の定のハードパンチャー。
真っ直ぐのパンチが非常に良い。
1R目に山下選手は早速右でダウンを先取。
2R目は宮本選手も離れた間合いからスイング気味の右をヒットさせ、挽回を試みますが、このラウンドも山下選手が右ストレートをヒットさせてダウンを追加。
3R目、後のない宮本選手はくっ付いたところで回り込んで打つパンチが何度かラビットパンチになってしまい減点。
KO以外勝ち目のない宮本選手がここから脅威の粘りを見せます。
宮本選手なりふり構わず飛び込んでラフにパンチを出し、このパンチで山下選手がグラつく。明らかに効いている。声出し禁止ですが思わず声が出てしまいました。
勇気を出して攻める宮本選手。が、無情にも終盤に再度右をもらいダウン。
4R目、ここでも宮本選手は攻める。前に出る。そして山下選手はやはり少しグラついてダメージのある様子も、攻めている分スキの多い宮本選手に思いっきり右を打ち込み、この一発で宮本選手が大の字に倒れ試合終了。
宮本選手は体の使い方という面では腰が抜けていて真っ直ぐのパンチを強く打てない点が課題ではありますが、この試合に関してはそういう事よりも劣勢を跳ね返して勝ちに行こうとした姿勢に感動しました。
何度倒されても立ち上がってムニョスをダウン寸前に追い込んだセレス小林会長を彷彿とさせるスピリッツを見せてくれた宮本選手に拍手。一緒に観戦していた少年も「しょうぐんの試合が一番良かった」と、何度でも立ち上がる姿に感じるものはあったと思います。
そしてこの試合がここまで盛り上がったのは山下選手のハードパンチがあってこそ。
勝っても負けてもKO決着な迫力満点の選手になっていきそうな予感大です。
Sライト級4回戦 坂下広併(横浜光)VSスコーピオン金太郎(三谷大和スポーツ)
「スコーピオンなのに金太郎?」変な組み合わせのリングネームだなと前から気になっていた金太郎選手の試合。
1R目、金太郎選手はサウスポースタイルからテクニカルに細かいジャブを当てて散らしながら左ストレートをヒット。この左に坂下選手は反応出来ていない様子。
坂下選手の左ボディも迫力あるがペースは金太郎選手が掌握。
2R目にはこの左ストレートが再三顔面にヒット。まるでスコーピオンのよう!
左ストレートはスコーピオン。見た目は金太郎?
それでスコーピオン金太郎なのかと納得。
3R目、坂下選手のボディも当たってはいるが、やはりペースは金太郎選手。
良く動いてスコーピオンレフトがヒット。
4R目も同様の展開で金太郎選手が良く動き、的を絞らせずに細かいジャブを突きながらスコーピオンレフトに返しのフックと自在に動いて試合終了。
判定はフルマークでスコーピオン金太郎選手の勝利。
坂下選手のボディ打ちも凄かったですが、ゆっくり正面に立って前に出てくるのでサウスポーからしたらやり易かったかもしれません。
ウェルター級4回戦 山本諒真(DANGAN AOKI)VS鈴木健介(リングサイド)
デビュー戦の山本選手と4戦4勝の鈴木選手の一戦。
鈴木選手は強い選手のオーラがあるし、4戦4勝だし、デビュー戦でこの相手は気の毒ではと思っていたら、山本選手攻める攻める。若さもエネルギーもあり、ボクシングも上手い。
あれよあれよで左フックでダウンを先取し、立ち上がった鈴木選手をワンツーから右で再び倒してKO勝利。
「何者??」と思ったら、山本選手はアマチュアインターハイチャンピオンだったんですね。
穴がなく、総合力が高い良い選手でした。DANGAN AOKIはジム勢いが出てきましたね。
鈴木選手も試合時間は短かったですが強い選手だという事はその中でも分かりました。
ミドル級4回戦 アンジュ・ザ・ブル(大橋)VS左右田泰臣(EBISU K's BOX)
1R目、アンジュ選手は動きが柔らかく早い。ジャブを的確に当ててポイントをリード。左右田選手はスピード差に対応しきれていない様子。アンジュ選手は左は良いけど右ストレートが全部スイングなのはやや気になる。
2R目、飛び込んでの左でアンジュ選手がダウンをゲット。左右田選手はバランスを崩した感じのダウンでダメージはそれほどなさそう。
ここで攻め急いだアンジュ選手は荒っぽく攻めるも隙が生まれ、左右田選手に左を合わされグラついてしまいます。
このチャンスを逃さず一気に攻め、左フックをクリーンヒットさせて左右田選手の逆転KO勝利。
アンジュ選手は攻め急がず淡々と左を当てていれば普通に勝てただろうに、、
勿体無い黒星でした。
総括
初観戦の少年を連れてきた今回の興行、どの選手も減量失敗する事なく全試合行われ、KO決着もたくさんあり、大当たりの興行で本当に良かったです。
初観戦でこんな激しい試合を見たら恐くなってしまうかなとやや心配しましたが、むしろ「自分もやってみたくなった」ともっとおっかない返事が返ってきておったまげました。
昔のように喧嘩やいじめもなく(あるかもわからんけど)、平和に生きる現代の子供達は格闘技に興味を持たないと言われておりますが、倒されても立ち上がり前を向く選手達の姿は今の子供達にもきっと大きな感動を与えてくれるはずです。
負けた選手は悔しい気持ちでいっぱいでしょうが、感動を与える試合は決して勝ち試合だけではありませんので前を向いて頑張ってください。
現役時代、一度でも宮本しょうぐん選手のような熱い試合をしてみたかった。。ま、眼底骨折して痛すぎて嫌倒れしていた自分じゃ絶対無理だけど。