ボクシングニュース 観戦記

ダイヤモンドグローブ日本Sフライ級タイトル観戦記〜藤田炎村は年間最高試合!

torajiro

ボクシングファン歴27年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

こんにちはtorajiroです。

日本Sフライ級タイトルマッチの行われたダイヤモンドグローブの観戦記です。

今回は三迫ジムに所属する早稲田卒リクルートビジネスマン藤田炎村選手からチケットを購入させていただきました。

見応えある試合の連続でしたが藤田炎村選手が年間最高試合レベルのパフォーマンスで魅せてくれました。

バンタム級4回戦 佐藤祐(三迫) VS佐藤拓夢(調布三迫)

同じ佐藤同士、同じ三迫という珍しい組み合わせ。

両者構えて向かいあった時点で佐藤祐選手の構えが良く、早期決着も予感させました。

1R目、佐藤祐選手距離感が良い。右を再三当て、拓夢選手の腰を落とす。

2R目、佐藤祐選手はバックステップからの右から畳み掛ける。拓夢選手は左ガードが脇開いてて低いので右を狙われやすそうに見える。

3R目は拓夢選手も前に出て打ち合いになるも有効打で佐藤祐選手が勝る。

右からの返しの左まで当てていた。終盤にも佐藤祐選手がまとめ、バックステップからの右も良かった。ややボディ打ちは少ないか。

4R目も佐藤祐選手が返しの左で先制。終盤に見せたボディ打ちも良かった。

判定はフルマークで佐藤祐選手。

拓夢選手は良く耐えて打ち返していましたが、全体的に上回られてしまいました。

拓夢選手は体は出来ているし、続ければ必ず結果はついて来ると思います。次は勝てると思います。

佐藤祐選手は将来が楽しみな選手。

フェザー級4回戦 廣瀬祐也(協栄)VS橋場大樹(宮田)

サウスポー同士の一戦。

橋場選手は前回会場で観戦した時にやりづらそうな選手だなーと思った選手。

▶︎プライズ・リング・ボクシングは会場大拍手の神興行

1R目は橋場選手が左ボディストレートで先制。

やや遠い距離は橋場選手の距離か。

廣瀬選手も右フックを返し反撃。

終盤に左ストレートもヒットさせたが、このラウンドは中盤までは橋場選手のペースだったか。

宮田会長からは「すげーぞ橋場ないすぅ!」の声援が飛び出す。

2R目になると廣瀬選手が距離を掴み、返しの右をからワンツーをヒット。

終盤にもワンツーで橋場選手の顎を跳ね上げる。

宮田会長からは「凄いぞ橋場全部いい!」の声が。

全部良く見えましたが、ポイントは廣瀬選手に。

3R目の中盤までは慎重な両者。廣瀬選手が浅いながらジャブワンツー当てるが橋場選手もワンツーを返す。

終盤に廣瀬選手が有効打で上回る。

橋場選手はガードが低いという弱点を突かれる。

4R目に廣瀬選手のワンツーが綺麗に入った所でレフェリーが試合をストップ。

橋場選手は距離で避けるスタイルですが、ガードの低さが持ち味でもあり課題でもありそう。対オーソドックスにはあのスタイルは強いと思います。

廣瀬選手は基本に忠実で穴がないボクサー。

ウェルター級4回戦 磯谷大心(輪島S)VS田中慧士(花形)

田中選手大声で自分に気合いを入れる。こういうの好きです。

磯谷選手は思った以上にデカくオーラがある。

1R目、磯谷選手は冷静にリーチの長いジャブを突き、ワンツーがクリーンヒットするとそこから立て続けにパンチを当てる。右アッパーも良い。

田中選手は打ち終わりに左を狙っている。

2R目、磯谷選手はジャブを上下に散らして右を狙うが田中選手が打ち終わりを狙っているので無理には攻めに行けない。田中選手は狙っていた左フックを一発当てる。

3R目に磯谷選手のボディがクリーンヒット。田中選手は何とか耐えるが追加の左ボディで体がくの字に曲がりレフェリーがストップ。

田中選手は良く頑張りました。打ち終わりを狙う姿に勝ちに行く執念を感じました。

4回戦から勝利者インタビューにリングガールもついて注目度の高さを感じますね。

それにしてもリングガールの天野さん、雪平さんは顔が小さい。ボクサーだったら的が小さくでパンチ当てるの難しそう。フジボクシングの興行に行けば会場で会えますよ。

▶︎ボクシング世界戦で話題のラウンドガールまとめ

フライ級8回戦 宝珠山晃(三迫)VS川崎智輝(SUN-RISE)

1R目、宝珠山選手はスピードがある。いきなりまとめて川崎選手の腰を落とす。

川崎選手も耐えて打ち返すが、宝珠山選手の左からの返しの右がヒット。

更に左ストレートボディからの右フックでダウンを先制。

2R目、川崎選手は右アッパーに右ストレートをヒット。

宝珠山選手は攻め急いで逆にパンチをもらう。

左ストレートでクリーンヒットを奪いまとめるが、ここも雑になったところを狙われる。

3R目、宝珠山選手は距離をキープ。左ストレートボディが良い。左ストレートも浅くヒット。

川崎選手の思い切り踏み込むワンツーも恐いがポイントは宝珠山選手。

4R目の序盤に宝珠山選手が左を当てて接近戦でまとめるが逆にもらう場面も。

川崎選手はガードを下げてリズム変えようとするが、そこに右を当てられる。

5R目は開始から両者激しく打ち合う。

お互い良いパンチが交差するが宝珠山選手が要所要所で有効打を当てて上回る。

6R目も宝珠山選手は左ストレートボディ、右フック、左ストレートと序盤に有効打を当てる。

右ボディアッパーからの左ストレートも良かった。

7R目も単発ながら宝珠山選手の上下に打ち分ける左ストレートと返しの右が上回る。

8R目の序盤は川崎選手が積極的だったが、後半中間距離に宝珠山選手の上下に打ち分ける左ストレートが当たる。

ポイントは79対72が二者と大差になったが川崎も細かいパンチを当てていて悪くなかった。

ポイント差程一方的な展開ではなかったです。

僕の採点も79対72ではありましたが。

Sライト級8回戦 藤田炎村(三迫)VS湯場海樹(ワタナベ)

リングインした湯場選手は体が大きく動きもキレキレ。強そう。

1R目、スイッチヒッターの藤田選手はサウスポースタイルでガンガン前に出る作戦。

左を真ん中に打ち抜かれないし良い作戦だと思いましたが、湯場選手は左を打ち下ろしダウンをゲット。藤田選手は外側からテンプルに貰った感じなので足が痺れて回復には時間がかかりそう。

立ち上がるも次は右をもらい更にダウン。

これは決まったかと思ったが、ここから藤田選手は徹底的なクリンチで湯場選手の追撃を回避。

大体こういう展開だとダメージ残しながら果敢に打ち合い、一瞬見せ場を作るも最後は倒され終わるパターンですが、藤田選手は打ち合おうとはせず冷静にクリンチでこのラウンドを逃げ切る。

2R目、藤田選手はスイッチしながら左右フックで反撃も、ラビットパンチで痛恨の減点。やや厳しすぎる減点にも見えました。ラウンド自体は藤田選手でしたがこれでポイントは9対9に。

3R目になると藤田選手が接近戦で攻勢。湯場選手はボディが効いてるのかグロッキー状態に。肋でも折れているのかなと思わせる程の失速具合。

4R目も藤田選手が攻める。湯場選手はボディが効いてクリンチで逃げるが右フックをもらいダウン。

ここは立ち上がるも藤田選手が追撃の右フックで更に倒し大逆転KO勝利。

藤田選手の大逆転劇に会場は興奮のるつぼと化す。

藤田選手はフィジカルが強くガンガン前に出るファイターというだけでなく、冷静にどうすれば勝てるか試合中も考えられるクレバーな頭も持った選手でした。

湯場選手はボディをもらっての失速具合が激しくて何処か怪我でもしていたのかと気になりました。

日本女子ミニマム級タイトルマッチ 鈴木なな子(三迫)VS一村更紗(ミツキ)

一村選手笑顔が良くて元気。鈴木選手も笑顔でリングイン。

1R目、一村選手が先に仕掛けるが鈴木選手が的確性で勝る。

が、鈴木選手はラウンド終了間際に一村選手の右をもらいダウン。バランスを崩した感じでダメージはそれ程でもなさそう。

2R目、鈴木選手の右からの返しのフックを何度かクリーンヒット。一村選手のコンパクトな右も当たっており、ラウンド開始早々は鈴木選手のダメージが心配されたが、後半になるにつれて鈴木選手のペースに。ポイントは鈴木選手。

3R目、鈴木選手の右ボディストレートからの左フックが良い。一村選手の単発の右フックもヒットするが、ポイントは鈴木選手。

4R目も鈴木選手の右ボディからフックが良い。一村選手は右を狙いすぎて手数が少ない。

5R目は一村選手がボディから反撃。鈴木選手も右ボディからのフックを的確に当てるが、手数では一村選手がややリードか。振り分けの難しいラウンドだが僕は一村選手を指示。

6R目も振り分けの難しいラウンドだが序盤に一村選手がバックステップでパンチを外してワンツー左でヒットを奪う。後半の的確性はやや鈴木選手だったが、僕は一村選手を支持。

ジャッジは57対56が2者、58対55が1者で鈴木選手を支持。

少なくとも採点は割れると思ったのでやや意外でしたが、2〜4Rで明確にポイントを取ったのは鈴木選手なので妥当な採点かな。

日本Sフライ級タイトルマッチ 中川健太(三迫)VS梶 颯(帝拳)

1R目、両者スピードがある。特に梶選手のジャブが速い。

中川選手がワンツーを打てば梶選手もすかさず返す。

中川選手がラウンド中盤から左を有効に当ててポイント取る。

2R目、中川選手は梶選手が距離を詰めようとするところにタイミング良く左を合わせすぐに動く。

梶選手のスピードに対応出来ている。

打っては動いて中川選手は的を絞らせず。

3R目は中川選手のワンサイド。梶選手が入って来ればノーモーションの左を当て、距離があれば外側から左フックを叩き込む。右ジャブも有効に機能し距離を支配。

4R目も梶選手は中に入れない。

中川選手が自分の距離で中から外から左を当てる。

5R目、梶選手は打ちに行こうとすると左を合わされたりスウェーやダッキングでかわされたりで苛立っている様子。

自分の距離で戦えず、外からパンチをコツコツもらってしまう。

6R目、やや距離は詰まってきて梶選手の手数も出てきたが有効打を当てるまでには至らず。

中川選手は集中力を切らさず左を上下に当ててはフックで回し、ロープ側にも詰められない。

7R目、中川選手は素晴らしいボディワークでパンチを外し、左を当てて行く。

コンビネーションの中の右フックで梶選手の顔面から汗が飛び散る。

8R目、距離は詰まってきており、序盤よりは梶選手も手を出せるようになっているが、有効打では中川選手が上回り、左ストレートを度々ヒットさせる。

9R目、梶選手は強引に距離を詰めるがパンチをまとめられない。

中川選手は左ボディから右フックで回し、ロープからエスケープして左を的確に当てる。

10R目、最後まで中川選手は元気。

左ストレート、左フック、左ストレートボディと左を三連発。

左からの右でロープ側からもエスケープ。

梶選手も最後は意地を見せ、左フックを3発当てる。

僕の採点はなんとフルマークで中川選手でしたが、ジャッジは97対93が2者、96対94が1者でした。

梶選手はポイント差以上に完封されたと思っている筈です。

梶選手の応援団からしたら歯痒かったと思いますが、中川選手にあれだけ打ちに行くところ合わされたり、スウェーやダッキングで交わされたらお手上げだったでしょう。

まとめ

今回の興行のMVPは何と言っても藤田炎村選手でしょう。

帝拳の岩田選手、ワンツースポーツの井上選手と早稲田大学ボクシング部の同期で3人プロボクサー。

更にリクルートで働くサラリーマンボクサーという点でも興味深い藤田選手の今後の活躍に期待しております。

▶︎早稲田卒高学歴ボクサーが熱い!岩田翔吉、藤田炎村、井上稜介選手に注目

会場観戦でこんなに凄い試合に遭遇する事も稀なのでラッキーでした。

中川選手のサウスポーのお手本のようなボクシングも素晴らしかったですし、磯谷選手の大物感も将来への可能性を感じました。

そして宮田会長の声援には笑わせてもらいました。

いつかこのブログも宮田会長に「全部いい!!」と言われるよう精進したいと思います。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

torajiro

ボクシングファン歴27年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

-ボクシングニュース, 観戦記