新人王

2024年度東日本新人王決勝の全階級の見どころ・勝敗予想と観戦記

torajiro

ボクシングファン歴27年。プロボクサー歴3年。ボクシングブロガー歴2年。一人でも多くのプロボクサーの戦った証をネット上の記事として残していきたいと思いブログを開設。Xも投稿していますのでフォローいただけると嬉しいです。

2024年度のボクシング東日本新人王トーナメントも決勝が行われ優勝者が決定しました。

ここのところ西軍代表に負け越しが続く東日本ですが、今年は大豊作です。

この記事では決勝戦の様子を見どころ・勝敗予想とあわせてお届けします。

ミニマム級5回戦 杉浦義(協栄) VS 遠藤龍匠(川崎新田)

この試合は遠藤選手の勝利を予想します。

  • 遠藤選手がデビュー戦で敗れた相手が杉浦義選手。
  • 2023年の東日本新人王トーナメントで遠藤選手が敗れた北野武郎選手に決勝で肉薄したのが杉浦義選手。

ということは杉浦選手が優位かな?

と思うかも知れませんが、遠藤選手はプロのリングに慣れて本来持っている力を発揮できるようになっている。

デビュー戦も1R目は遠藤選手が杉浦選手を圧倒していました。

杉浦選手の武器はスタミナと手数ですが、デビュー戦の1R目のような動きを遠藤選手が3R続けられれば5Rでも逃げ切れると予想します。

杉浦選手としては早めに足を止めての打ち合いの流れに持っていきたいところ。

試合結果:杉浦がフィジカルと右クロスで勝利

1R目は遠藤選手が自分の距離で上下に打ち分けやや優勢も、遠藤選手のジャブに対する杉浦選手の右クロスが怖い。

2R目に入ると杉浦選手が前進を強め、遠藤選手は下がりながら合わせる展開。遠藤選手の多彩なパンチはクリーンヒットしているが杉浦選手はビクともせず打ち返し、遠藤選手を下がらせる。

3R以降も遠藤選手は下がりながらパンチを当てているのだが杉浦選手の攻勢が光る展開。

クリーンヒットは五分五分だが、前に出ながらビクともしない杉浦選手と下がりながらパンチをもらいバランスを崩してしまう遠藤選手。

杉浦選手はジャブにクロスを合わせるのがとにかく上手い。

昨年の新人王決勝もサウスポーの北野選手にスイッチして左クロスを良く合わせていた。

判定は48対47と49対47が2者の3対0で杉浦選手。

ボクシングスタイルは不器用そうなのにカウンターが上手くフィジカルの強い杉浦選手。

遠藤選手推しの自分としては悔しい敗戦ですが、杉浦選手は敵ながらあっぱれ!!

Lフライ級4回戦 早坂峻(横浜光) VS 片渕龍太(KG大和)

2023年の決勝で磯金選手の強打に見栄えで負けた早坂選手。

1年かけてしっかりとフィジカルを作り上げて決勝の舞台に戻ってきましたが、片渕選手が負傷により棄権。

2年連続強打者相手にどう成長した姿を見せるかと楽しみでしたが残念。

片渕選手は準決勝で自慢の拳の硬そうな強打に加えて耐久力があることも証明しました。

今回は棄権となりましたが来年再挑戦するなら優勝候補間違いなし。

フライ級5回戦 佐野篤希(伴流) VS 宇野楓麻(花形)

勝敗予想は佐野篤希の勝利を予想します。

アマで全日3位の鈴木丈太朗選手を相手にドラマチックな逆転KOを見せた佐野選手。

評判の良い選手でしたがいくらなんでも鈴木選手の牙城は超えられないと思っていました。

東日本新人王トーナメントの記事もフライ級が1番のアクセスを集めました。

この勢いに乗って一気に全日本も獲るのではなかろうか。

佐野選手の魅力は何と言ってもフットワークの速さ。

出入りの速さと深さはキャリアのある選手でもついて行くのが困難。

花形ジムの宇野楓麻選手は現在36歳。

34歳でデビューした遅咲きのオールドルーキー。

両ガードしっかり上げた状態で体に密着したように飛んでくるパンチは変則的で軌道が読めない。

準決勝、齋藤瞭戦での右フックはお見事でした。

こうしたオールドルーキーボクサーの活躍はワクワクします。

宇野選手、まさかここまで勝ち上がってくるとは。。

試合結果:佐野篤希が勝利も宇野楓麻は老獪なボクシングで肉薄

佐野篤希選手と宇野楓麻選手。

両者のボクシングを映像で見たら誰もが佐野選手が圧倒すると思うでしょう。

でもそうならないのがボクシング。

結果は48-47,48-47,49-46の3対0で佐野選手の勝利ですが、もう1R宇野選手が取れていればひっくり返っていたかなり際どい試合でした。

序盤から宇野選手は絶妙な距離感でサウスポーの佐野選手に対して浅いがジャブをヒットさせる。

佐野選手が踏み込むと同じ距離バックステップして打たせない。

佐野選手の速いスピードに反応しつつ、宇野選手はノーモーションの右ダブルや右ボディストレートで単発のパンチをヒットさせる。

ダメージングブローではないのでどこまで有効打としてカウントされるか微妙ながら佐野選手に自分のボクシングをさせない。

要所要所で佐野選手が踏み込んでワンツーを放ち、宇野選手は巧みなボクシングで打ち気を削ぎながら左を外して回り込んでの右等の渋い攻撃を展開。

torajiro個人の採点は48対47で宇野選手の勝利でしたが、ジャッジが宇野選手のパンチを有効打とまでは評価しなかったのも理解できる試合でした。

結果は負けにしてもオールドルーキー宇野楓麻選手の健闘が光った試合でした。

仮に前評判なく、お互いがデビュー戦同士だったら宇野選手が勝っていたかも。

それくらいに佐野選手は持ち味を出せず、宇野選手が自分のワールド全開で戦った試合でした。

Sフライ級5回戦 高橋秀太(角海老宝石) VS 大橋昌彦(角海老宝石)

新人王で角海老と言えば同門対決。

  • 2010年の大橋健典VSコーチ義人
  • 2012年の糸山良太VS今野裕介

そして今回の高橋秀太VS大橋昌彦。

過去の同門対決はコーチ義人選手、糸山良太選手が優勝しましたが、最終的に長く続けて出世したのは敗れた大橋選手と今野選手でした。

さて、今回はどうでしょうか。

個人的には強打を持ちながら技ありなボクシングスタイルの高橋秀太選手が好きですが、今の勢いからしたら大橋昌彦選手がやや優勢でしょう。

大橋選手はテンポ良くジャブを突いて距離をキープして戦いたく、高橋選手はスッと体を寄せてクリンチワークの中の接近戦に持っていきたいところでしょうか。

試合結果:12年ぶりの同門対決は高橋秀太に軍配

心情的にはデビューの頃から注目していた高橋選手にやや感情移入しつつも、勝つのは大橋選手だろうと予想していた試合。

しかしこの試合に48対47の3対0の判定で勝利したのは高橋秀太選手。

スタートは大橋選手がジャブから右ボディストレートと上々な立ち上がりと思ったら高橋選手が右クロスで高橋選手の腰を落としてダウン寸前の場面を演出。

中盤は大橋選手もジャブからワンツーでヒットを奪う場面もあるが、右が大振りで空振りになってしまう場面も多い。

高橋選手は接近戦に持ち込みアッパーも上手く使いポイントを加点。

下がりながら単発の有効打をヒットさせる大橋選手か、前に出て接近戦の中でヒットを奪う高橋選手という展開。

ジャッジが支持したのは前に出続けた高橋秀太選手でした。

バンタム級4回戦 柳修平(三迫) VS 西屋香佑(横浜光)

優勝候補の一角であった柳修平選手は順調に勝ち上がり決勝へ。

昨年の新人王トーナメントは吉成亮人選手に敗れた西屋香佑選手もフィジカルアップしたボクシングで連続KOにて決勝へ。

予想は柳修平選手勝利としておきますが、横浜光ジムの若手ボクサーはこの1年で成長が顕著。

(服部凌河選手は壁に当たっているかも。頑張れー。)

どの選手もフィジカルが強くなっているけど、どういう練習をしているのだろう。

柳VS西屋は打ち合い勝負になると思いますが、回転力では柳選手が上。

しかし西屋選手が相打ち、打ち終わりの一撃でひっくり返す可能性も十分ある。

実力は拮抗していると見ています。

試合結果:西屋が脅威のフィジカルと強打で優勝候補の柳修平を一蹴

西屋選手のフィジカルと柳選手の回転力という試合展開。

ここで打ち勝ったのは西屋選手。

1R終盤に左フックをクリーンヒットさせて攻勢。

2Rも西屋選手が右をヒットさせて柳選手の腰を落とし、一気にパンチをまとめる。

ここで柳選手もしっかりと迎え撃って手数を出していたが、最後は4Rに西屋選手がクリーンヒットを奪い、連打をまとめてストップを呼び込んだ。

大学アマを経験している柳選手に対し、連敗から這い上がった西屋選手が固いガードと的確な強打で柳選手を凌駕しました。

回転力の差で柳選手が勝つと予想していた試合ですが、強打に加えて強靭なフィジカルとディフェンス力の面でも西屋選手が勝った試合でした。

Sバンタム級4回戦 阿部一力(大橋) VS 矢野円来(花形)

覚醒中の矢野円来選手が勝利すると予想します。

最近のボクシングは荒さもあるものの、脱力から体の回転力でガンガンパンチをぶん投げるボクシングがとても快感。

トーナメント開始時点では優勝候補と予想していた阿部一力選手も2階級アップしてしっかり体を作ってきましたが、トーナメントではダウンを奪われたりパンチを効かされたりする場面があった。

特にオールドルーキー八谷洋平選手のワンパンチは相当効いていた。

矢野選手が回転力でパンチをぶん投げてきた時にその餌食になってしまうと予想します。

試合結果:阿部一力選手が計量失敗!矢野円来がノーダメージで全日本へ

2階級アップで出場していた阿部一力選手がまさかの計量失敗。

普通に落とせなかったとは考えられないので一番に考えられるのは怪我の影響か。

精神的ダメージによるものだった場合は復帰までの時間はかかりそう。

インタビューでリングに上がった矢野選手は無念そうな表情をしていましたが、ノーダメージで全日本の舞台に上がれる点を前向きに考えて頑張って欲しい。

全日本決定戦は全階級通して最も見応えのある打撃戦なると予想しています。

フェザー級4回戦 北本慶伍(三迫) VS 江田葵一(KG大和)

北本選手の桁外れのパンチ力か、アマチュア仕込みの江田選手のテクニックか。

北本選手はボクサーとしても上手さもあった上でのパワーなので、この勝負は北本選手が勝つと予想します。

江田選手は準決勝でこれまたオールドルーキーの菅田恭平選手にダウンを奪われヒヤッとする場面もありました。

今年の新人王はオールドルーキー達の活躍が目立ちましたね。

穴も見せた江田選手に対し、北本選手は高校総体王者の山川健太選手も2Rで倒して決勝に上がってきました。

三迫ジムの先輩藤田炎村選手のような1撃で試合を終わらせる強打は今後も要注目。

試合結果:北本慶伍選手が右の強打で江田琪一のボディに勝る

オーソドックス同士だと圧倒的なパワーで襲い掛かる北本選手はサウスポーが相手だと足を使ってしっかり上手いボクシングをする。

フェイントを織り交ぜながら自分から攻めて1Rに強烈なフックをヒット。そこから右も。

2R目以降は江田選手もボディ攻撃に活路を見出し流れを変えていきそうな予感もあったが、北本選手の単発の右がそれを僅かに上回る。

北本選手がこれまでの試合のような圧倒的なパワーでねじ伏せるような試合にはならなかったが、アマで30戦しているサウスポーの江田選手に対して右の有効打で上回った。

特に江田選手の左ストレートはほぼ全てしっかりブロックして対応していた。

パワーにばかり目が向いてしまうが、北本選手はボクシングも上手かった。

判定は39対37が3者で北本選手が勝利。

僕の採点も2R目以外は北本選手でした。

ボクサーになる前は何をしていた選手なのだろうと気になりました。

Sフェザー級4回戦 小野寺雅宗(石橋) VS 梶野翔太(角海老宝石)

小野寺選手は準々決勝も準決勝も対戦相手が棄権し、トーナメント1戦1勝のみで決勝に上がってきました。

2戦2勝2KOとパンチはありますが、梶野翔太選手と比べるとボクシングは荒い。

自力の差が大きい両者による対戦と見ています。

予想は梶野翔太選手のフルマークの判定かKO勝利を予想します。

小野寺選手も試合が流れ続けている間に実力アップしている可能性は十分ありますが。

梶野選手も前戦は素晴らしいパフォーマンスを見せましたが、サウスポーとの試合ではやや噛み合わないボクシングになる。

小野寺選手はサウスポーなのでそこがどう影響してくるか!?

試合結果:梶野翔太TKO勝利も小野寺選手が想像以上の健闘

過去の試合内容的に梶野選手が圧倒するだろうがサウスポー相手だとどうかな?という視点で観戦した試合。

試合が始まるとサウスポー小野寺選手の左の強打が想像以上で驚く。

技術的にははっきりと梶野選手だが、小野寺選手の左も当たっており、下手したら一発でひっくり返りそうな展開。

小野寺選手は左に加えて右フック強打も怖く、何発か梶野選手ももらっていたが全体を通したら梶野選手の土俵。

しっかりと上下に打ち分けながら小野寺選手にダメージを蓄積させていくと、小野寺選手はヒッティングでカット。

更に右目も大きく腫れ上がりドクターチェック。

一度は試合再開されるが、梶野選手がパンチをまとめたところでダメージを考慮してレフェリーが試合をストップ。

試合中は小野寺選手の左ストレート右フックも梶野選手にヒットしているように見えましたが、試合後の梶野選手は綺麗な顔をしていました。

ライト級5回戦 西野入稜央(横浜光) VS 本多俊介(E&Jカシアス)

優勝予想をしていた本多俊介選手が決勝まで上がってきたのでこの階級は本多選手が優勝と予想します。

しかし横浜光ジムの西野入選手のボクシングと本多選手のここまでのボクシングを比較すると、西野入選手は相性的にはよろしくない選手。

西野入選手は体が頑丈で接近戦が強い。

本多選手はくっついても強打を打てる長身ボクサーですが、相手がゴリゴリ来たらバランスを崩し気味な面もある。

西野入選手がゴリゴリ前に出て接近戦を仕掛けた場合、押し込まれバランスを崩されてズルズルといってしまう可能性もはらんでいます。

西野入選手は頭をくっつけて前に押し込みながら接近戦を仕掛け、本多選手のスタミナ消耗を狙いたいところ。

本多選手としたらなるべく長いラウンド自分の距離で戦って序盤でポイントをリードしておきたい。

試合結果:本多俊介がほぼフルマークの完勝

勝敗予想は本多選手も、相性的には西野入選手が前に出てコツコツパンチをまとめて本多選手を後手に回すかもと予想していた試合。

結果的には1者がフルマークをつける内容で本多選手が完勝。

西野入選手はもっと前に出ながら細かいパンチをまとめていくと予想したが、ボクシングをして負けてしまった印象。

グイグイ前に出た時に本多選手が雑に後手になる場面もあったので、もっとガンガン攻めていけたら違う展開になったかもしれない。

言うだけなら簡単ですが、実際それを実行に移すには数々の条件が必要で簡単ではありませんが。

本多選手は左ボディからの右フック、右からの左ボディの迫力が凄かった。

Sライト級4回戦 シャオリン孝司(協栄) VS 南優作 (E&Jカシアス)

シャオリン選手が豊富な手数で距離を詰めるか、南選手が独特な遠い間合いで戦えるか。

得意な距離で戦った方が勝つと予想しますが、自分の距離に持って行きやすいのはシャオリン選手か。

キック出身の選手は間合いが遠いことが特徴の一つですが、シャオリン選手の場合は近い間合いが得意だろう。

キック時代からの経験で自分の距離に持って行くのも上手いはず。

南選手の武器はリーチの長さ。

物理的に手が長いというよりは打ち方が良いのだと思う。

その代わりにガードは開きがちで、前戦でも良いパンチをもらってピンチにも陥っていました。

シャオリン選手は背が高い上に距離を詰めてくるので間合いをキープし続けるのは困難と予想します。

試合結果:シャオリンがTKO勝利

南優作選手は普段のオーソドックスからこの日はサウスポースタイルに変化。

長い距離での戦いが苦手そうなシャオリン選手に対してはこのサウスポースタイルはハマれば強いと思った。

実際に序盤は南選手の右フックがシャオリン選手をとらえる場面もあったが、逆にシャオリン選手の右ももらってしまう。

作戦は良いがサウスポースタイルの南選手は普段よりもパンチのキレがない気がした。

2Rに入るとシャオリン選手が前進を強め、ロープに詰めて左フックでダウンを先取。

ここは立ち上がった南選手だが、この後もパンチをまとめられて2度目のダウンを奪われシャオリン選手の勝利。

接近戦主体のシャオリン選手に対してサウスポースタイルで攻めたのは良い作戦でしたが、南選手の動きのキレが良くなかった。

ウェルター級5回戦 金子佳樹(金子) VS 福永啄巳(青木)

この試合は金子選手が圧倒的に有利。

過去の対戦でも金子選手が1R TKOで勝利しています。

福永選手は4勝しているがいずれも判定。

一発でひっくり返すパンチを持っているわけではない。

こうして見ると福永選手が勝てる可能性は低い。

しかしこういう試合こそ何が起きるか分からないのが新人王トーナメント。

福永選手が足を使いのらりくらりと金子選手の打ち気をそいでポイントアウトするような展開を作るかもしれない。

再戦という面と福永選手の足を使いながら淡々と有効打を重ねていくスタイルから何かを起こしそうな予感もさせる試合。

試合結果:福永啄巳がアップセットを起こす

1Rに衝撃の展開が。

福永選手はいつも通りジャブを突きながら足を使い中間距離をキープ。

雑にならずに冷静に足を動かし続けてジャブを突けるのが福永選手の武器。

金子選手が前に出てガードの上からでもパンチを振るといい音がする。

しかしこの金子選手が打って出て距離が縮まったところで福永選手のショートの右が決まり金子選手はまさかのダウン。

立ち上がった後もまだダメージは少し残っている。

このチャンスにも福永選手は深追いをせずに淡々と自分のボクシングを展開。

2,3Rは金子選手がポイント挽回に前に出て、福永選手はそこに合わせる展開だが追い上げられている。

4Rも金子選手が前に出て攻勢だったが、ここで福永選手は左フックを合わせて互角の展開に持っていく。

そして最終の5Rは福永選手が最後前に出て有効打で勝りポイントをたぐり寄せた。

ジャッジは2者が福永選手を支持して過去に1R KOで敗れた金子選手へのリベンジに成功。

僕の採点はイーブンでしたが、ジャッジはガードの上からの金子選手の強打より、4Rに的確に左フックを合わせた福永選手のボクシングを支持していたようです。

リングサイドでパワーに引っ張られずしっかりクリーンヒットを見ているジャッジは流石ですね。

今大会のtorajiro的MVPは福永啄巳選手でした。

勝敗予想の際にも書いていましたが、何かを起こしそうな予感がしていたんです!!

ミドル級4回戦 盛合竜也(ワタナベ) VS 吉野健二(角海老宝石)

竹原テレビのしゅんくんや伊吹吾郎さんの孫、伊吹遼平選手といった話題性のある選手を破って決勝に勝ち上がった両者(しゅんくんと盛合選手は判定結果上はドロー)。

盛合選手と吉野選手の実力は五分ですが、勝つのは盛合竜也選手と予想します。

盛合選手は189cmと長身ですが、重量級の長身ボクサーにありがちな変な癖はなくしっかりとジャブを突いてストレートに繋げていくタイプ。

一方の吉野選手はフットワークも良く、良いジャブを打つのですがこのジャブをあまり使わない。

折角良いジャブとフットワークを持っているのに右アッパー等、最初から強打狙いのボクシングをする傾向があるように感じます。

前戦も相手が伊吹選手だったからということもあるでしょうが、一発一発の打ち合いに応じてしまっていました。

角海老の鈴木真吾会長がリングサイドから的確なアドバイスをしていましたが、吉野選手はそうした指示に従ったボクシングができるかどうか。

前戦のようないきなりの強打狙いのボクシングになるようだと、中間距離でもしっかりジャブを突いて戦える盛合選手に分があると予想しています。

試合結果:吉野健二がボディ主体の攻撃で勝利

開始と同時に吉野選手はボディ攻撃。189cmと長身の盛合選手はジャブワンツーで手数で応戦。

吉野選手はボディ主体の攻撃ながら時折距離を作ってテンポを変えて飛び込む。

接近戦、押し合いの中の攻防は僅かに吉野選手がボディで優勢。

判定は2対0で吉野選手のボディ攻撃を支持。

盛合選手は長身ボクサー特有のバランスの悪さはなく伸び代を感じました。

激しい打ち合いの中でスタミナを消耗させても最後までフラつくことなくしっかりパンチを出していた。

マウスピースを何度か吐き出してしまっていたのはボディのダメージありと感じさせるもので印象は悪かったか。

吉野選手はくっついてのボディ攻撃中心だったが時折見せるフットワークはバネがあって踏み込みも良い。

準決勝でも思ったが、普通にジャブワンツーを打てば当たるんじゃないか。

新人王トーナメント決勝はU-NEXTで配信あり

新人王トーナメントも残すところ全日本決定戦のみ。

会場に行けない方はU-NEXTでも配信があります。

新人王が話題になれば若手ボクサーの夢も広がるしボクシング界全体の発展にもつながります。

新人王トーナメントは予選からチェックしていくとより一層決勝の楽しみが増すので記事中で紹介した各階級のトーナメントの見どころもチェックしてみてください。

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