2023年の東日本新人王トーナメントウェルター級はエントリー7名ながら須賀大地、加藤大河といった実力者を輩出した年でした。
2024年の東日本新人王ウェルター級はなんとエントリー選手数が14名!!
選手層の薄いウェルター級において14名のエントリーは過去10年遡っても無かったのではないか。
この記事を書いている時点で14名から4強に絞られた段階ではありますが、4強選手中心にウェルター級の出場選手達を紹介します。
初登場は計量失格!南野楓也が再び準決勝へ
初めての新人王トーナメントは2022年でこれが3回目の挑戦の宮田ジム南野楓也選手。
しかし初めての挑戦は計量失格による自滅でした。
そして2023年の挑戦は準決勝で加藤大河選手にTKO負け。

身長は180cmながらウェルター級という階級の中で見るとやや線の細さを感じる南野選手ですが、宮田ジムボクサーらしい積極性のあるボクサーです。
変にテクニックに走らない4回戦ボクサーらしい気持ちの良いボクシングが南野選手の魅力。
積極的な分、打ち終わりのガードは結構空いているので優勝はちょっと難しいか。
積極性はあるので手数でポイントを稼いでいけば可能性はある。
ジャブとフットワークが武器の福永啄巳
青木ジムの福永啄巳選手はロイ柄本選手との熱戦を制して準決勝へ進出。
僕の事前予想では長身で体全体のサイズの大きいロイ選手が勝利すると予想していましたが、後手に回る悪い癖が出てしまいました。
福永選手はウェルター級ながら足を良く使い、積極的にジャブを突いてそこからコンビネーションに繋げていきます。
4Rフルに機動力を駆使する戦い方は相手にとってはやりづらいでしょう。
南野選手と福永選手はお互い積極的なタイプなので両者がぶつかる準決勝は好試合になること間違いなし。
機動力の差でやや福永選手に武があると予想しています。
ケイスケムラタを若さと勢いで粉砕した笠松紘太朗
プロボクサーは少ない北澤ジムから久々に元気の良いボクサーが出てきました。
若干20歳の笠松紘太朗選手はここまで3戦3勝2KO。
協栄ジムの37歳ボクサーケイスケ ムラタ選手との1戦に勝利してベスト4に。
試合はサウスポースタイルのムラタ選手が上手さで勝り試合を組み立てているように見えたのですが、笠松選手の右が入り、ムラタ選手は腰を落とす。
このチャンスを逃さず一気に攻めて倒し切り1RTKO勝利。
ボクサーとしてはまだ荒さのある選手ですが、一つ一つのパンチはよく伸びて威力十分。
若さと勢いもあってここぞという場面では一気にまとめてくる。
まだまだこれからの選手ですが、こういう選手は1戦1戦で驚異的な成長を遂げてくるので先の予想が難しい。
初代金子ジム会長の孫、金子佳樹が優勝候補
2024年の東日本ウェルター級で優勝候補を挙げるとすれば金子ジムの金子佳樹選手。
ここまで3戦3勝3KOのパーフェクトレコードで勝ち上がっています。
動きはやや硬さがあるも一発一発のパンチは腰が入っていて威力十分。
デビュー戦は1R僅か47秒TKO勝利でデビューしています。
現在25歳の金子選手は体も仕上がっており、フィジカル面でも強さはこの階級No.1。
ここまで対戦相手を圧倒して勝ち上がっており、ウェルター級の出場選手の中では頭一つ抜き出た存在。
ガードも悪くなく、不用意な一発をもらうリスクも少ないので優勝する確率は一番高いでしょう。

東日本準決勝は福永啄巳と金子佳樹が勝ち上がる

9/19の準決勝は福永啄巳選手と南野楓也選手が対戦。
向かい合うとリーチでは南野選手が上回っているが福永選手はしっかりと左回りを続け南野選手に的を絞らせず。
左に回る福永選手を南野選手が追う展開の中、ジャブを突きながら来たところに合わせる福永選手。
ジャブを突きながら左に回り、相手が来たところに合わせる右アッパーが良かったし、時折グッと腰を落として飛び込む動きも良かった。
南野選手は福永選手の足にやられてペースを掴めずポイントを失っていきました。
福永選手のしっかり動きながら淡々と合わせていくスタイルは昔自分が好きだった協栄ジムの松崎博保選手を思い出した。
見た目の強さ以上にやりづらい選手でしょう。
南野選手は下がって迎え撃ってみても良かったかもしれませんが、それだと宮田ジムらしくもないか。
9/20の準決勝は金子佳樹選手が圧巻の2R TKO勝利。

1R目は笠松選手も積極的にジャブを突いて上々の立ち上がり。
素材の良さを感じました。
しかし金子選手が手数を増やすと技術もパワーも金子選手が一枚上手。
右ストレートが入ると笠松選手はストンとダウン。
ここは立ち上がり1R目はガッチリガードで逃げ切ったが、最後は左フックでダメージが蓄積したような形でダウンし、レフェリーが試合をストップ。
笠松選手敗れはしましたが素材は良い!大事に育てて欲しいと思います。
これで金子選手は4戦4勝(4KO)。
優勝は金子選手で間違いなさそうですが、こういう時に心揺さぶられる好試合が生まれることも往々にしてあります。
決勝で福永啄巳選手がどんなボクシングを見せるのか、何かがありそうでちょっと楽しみな決勝戦!!