2023年中日本新人王トーナメントの注目選手を紹介します。
2022年の新人王トーナメントで個人的に最も印象に残った選手は中日本のボクサー平石ジムの佐野遥渉選手でした。

ブルース・リーの名言「Be Water, My Friend」を地で行くようなボクシングスタイルは鳥肌ものでした。
>>2022全日本新人王決定戦の展望勝敗予想・結果〜注目度は東軍も実力者揃いの西軍
2023年の新人王トーナメントでも再び佐野遥渉選手のようなインパクトのある選手が出るかどうか!?
なお、中日本に関してはボクシング選手名鑑のせきちゃんが愛と情熱満載の記事を書かれていますのでそちらをご覧いただくとより一層中日本のボクシングが楽しめるかと思います。
>>2023年度中日本新人王トーナメント!ミニマム級~スーパーフライ級 ボクシング選手名鑑ピックアップ!
>>2023年度中日本新人王トーナメント!バンタム級~スーパーフェザー級 ボクシング選手名鑑ピックアップ!
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ミニマム級の今井聖也はパワーアップが課題
ミニマム級の今井聖也選手はデビュー2連勝の後2連敗中。
アマチュアキャリアもあって良い線行きそうなのですが、ややパワー不足なところが課題か。
あと腰が少し高いところが個人的には気になっています、
2度拳を交えて1勝1敗の宮澤漣斗選手は昨年の新人王トーナメントで西軍代表決定戦まで進みました。

誰しも壁に当たって伸び悩む時期があるものですが、今井選手もその状態でしょうか。
フライ級の坂井涼は全日本制覇間違いなし!?
フライ級の坂井涼選手は2022年の新人王トーナメントは西軍代表決定戦で二階堂迅選手とのハイレベルな攻防の末に偏差で敗退。
今年は全階級で最も優勝に近い近い選手だと思います。
高卒アマにありがちなパワー負けも無く、ガードも良い坂井選手の優勝は手堅いと見ています。

坂井選手は中日本は他にフライ級のエントリー選手がいないのでこのまま西部新人王との決定に出場。
昨年に引き続き西部日本の濱村悠太郎選手と対戦予定です。
Sフライは犬塚音也が抜け出た存在
Sフライ級の犬塚音也選手は現在4戦4勝。
戦績的にも実力的にも頭一つ抜けた存在です。
好戦的で手数も良く出てサイドへの動きも上手い選手なので試合も観ていて面白いです。
ルックスも良く、人生勝ち続けて来た強い男的なオーラがあります。
こういう選手は土壇場にも強い。

Sバンタムはデビューの武藤涼太VS藤本翔太に注目
Sバンタム級はアマチュア29戦を経てプロデビューする畑中ジムの武藤涼太選手と現在2戦2敗の平石ジムの藤本翔太選手の一戦に注目しています。
武藤選手はアマチュアで29戦19勝のキャリアはありますが、突き抜けた強さはアマチュア時代の試合映像からは感じませんでした。
一方2戦2敗ながら藤本選手は技術的には高いものを持っている選手。
特にワンツーが真っ直ぐで綺麗です。

プロで先に2戦しているアドバンテージもあるのでここで藤本選手が勝ち星を上げて一皮剥ける予感もあります。
フェザー級はデビューの石崎大二朗が気になる
フェザー級でもアマチュアキャリアのある選手がデビュー。
石崎大二朗選手はアマチュアで17戦。
昨年の全日本を制した佐野遥渉選手と同じ平石ジムの所属。
Sバンタムの藤本選手も平石ジムですし、平石ジムは今後注目のジムになりそうです。
デビュー戦は好戦的で力強いボクシング。
技術もあり、ハートもあり、面白い試合をする選手です。
ウェルター級の松岡蓮はアディオスと再戦なるか
ウェルター級の松岡蓮選手は前戦が約3年振りの復帰戦でした。
前回の試合は序盤にパンチをスウェーで避け損ねていきなりのダウン。

立ち上がりはややブランクの影響を感じさせました。
今年は4月にも緑ジムの上村選手と試合が決まっており、8月が中日本の新人王決定戦。
トーナメント前の4月の試合が一番の強敵のような気がしないでもないですが、ここで勝つことが出来れば今年は期待出来るかもしれません。
西日本からアディオスが勝ち上がってリベンジマッチの実現なるでしょうか。
中日本ボクサーの試合はsakanaチャンネルで視聴可能
以上、中日本の注目選手紹介でした。
もっと詳しい情報はせきちゃんのボクシング選手名鑑を是非ご覧ください。
それと中日本ボクサーの試合はYouTubeのsakanaチャンネルでたくさん視聴できます。
個人的に面識はありませんが、こうやって地元のボクシングを盛り上げようと活動されている方々がいる中日本の選手達は幸せ者だと思います。
自分もプロボクサーとしてはパッとしませんでしたが、一度武士道ボクシングさんのブログに写真が載った時は嬉しかった思い出があります。
応援してくれる人がいる事は中日本のボクサー達にとっては大きなアドバンテージですね。
2023/3/26 SPLENDID BOXINGで犬塚、武藤が勝ち上がる
sakanaチャンネルさんで配信された2023年3月26日のSPLENDID BOXINGでは注目している犬塚音也選手の試合に武藤涼太選手VS藤本翔太選手の1戦がありました。
犬塚選手は1R目は長身の高島瑛滉選手に手を焼くも2R目以降は距離を詰めて無尽蔵のスタミナで攻めまくる。
ただ前に出るだけなら迎え撃ちやすいのですが、犬塚選手はバックステップやサイドへの動きも交えて相手のパンチを外しながら距離を詰める。
この選手は手強いです。
武藤涼太選手VS藤本翔太選手の一戦は武藤選手が1R目に素晴らしいパフォーマンスを披露。
シャープな左をガンガン当て、頭を右にズラして右アッパーから右フックで回してとやりたい放題。
これは勝負アリかなと思ったところから藤本選手が接近戦に持ち込んで反撃。
武藤選手が1発当てれば2発3発と手数で応戦し、判定ドローまで持ち込む。
優勢点武藤選手が次戦に進みましたが藤本選手の健闘が光った一戦でした。
2023/6/18 FOREVER CHALLENGE 犬塚ドロー敗退、武藤はKO勝利
2023年6月18日に開催された『FOREVER CHALLENGE』で中日本での優勝は堅いと予想していた犬塚選手が引き分け敗者扱いでまさかの敗退。
手数と攻勢の犬塚音也、単発のキレある強打は藤野零大という展開で進んだ試合。
torajiro的採点は39対37で犬塚でしたが、判定はドロー。
トーナメント特別ルールでつけられた優勢点で藤野選手が次戦に進出。
改めて動画を見返すと確かに藤野選手の一発一発はインパクトがあり、1,3Rは藤野、2,4Rが犬塚という展開ではありました。
会場観戦だとより一層藤野選手の強打が際立って見えたのでしょう。
Sバンタム級の武藤涼太選手はこの日もトコナメジムの高橋梨久選手と比べると一回りデカい。
前戦は藤本翔大選手の脅威の粘りで引き分けになりましたが、この日は序盤から高橋選手を圧倒。
1R目に左ストレートを被せてダウンを先取。
そして2R目にダメージを与えたところでまとめてレフェリーストップ。
最初にダウンを奪った左も良かったですが、右アッパーがこれまた効果的でした。
これはもしかしたら全日本獲れるかも知れない逸材です。
おまけのおまけの佐野遥渉
『FOREVER CHALLENGE』のメインは2022年のSフライ級全日本新人王の佐野遥渉選手が登場。
全身脱力からの瞬間瞬間の動きが速い。
この日も素早い出入りで距離を掌握し、2Rにドンピシャの左ボディで10カウント。
まだまだ戦績を重ねていく段階ではありますが、一つ上のレベルで戦う佐野選手を早く観てみたい。
どこかで壁にぶち当たる時は来るでしょうが、スケールがデカく将来が楽しみな選手です。
2023/8/20 GREEN Dream vol.21 中日本新人王が決定!
2023年8月20日のGREEN Dream vol.21で中日本新人王が決定。
Sバンタム級の武藤涼太選手は決勝でとよはしジムの時弘将志選手と対戦
時弘選手はアマチュア上がりの有望選手相手に豊富な手数とパワーで立ちはだかってきたファイター。
2022年度に全日本新人王となった佐野遥歩選手がデビュー戦で引き分けた相手がこの時弘選手。
強敵相手に武藤選手がどんなボクシングをするのかと注目していましたが、何と時弘選手相手に手数でもパワーでも負けずに打ち勝っての完勝。
2005年生まれのまだ若干18歳の武藤選手。体が仕上がってくるのはこれからだと思うのですが、既にフィジカルも相当な強さ。
Sバンタム級は西日本の田甫吉駿選手が抜きでた存在だと思っていましたが、この武藤選手も相当強い。
Sバンタム級の西軍代表はレベルの高い争いになりそうです。
フェザー級の石崎大二朗は強引に攻めて仕留める
懐の深いサウスポー中日ジムの太田彩千耶選手に対して1R目から体ごとぶつかるように右を振るって距離を詰める石崎選手。
1R目中盤までは太田選手が上手く距離を取って強引に詰める石崎選手に左ストレートをヒットさせるも、終盤に左ストレートに右カウンターを合わされる等徐々に石崎選手ペースに。

2R以降はこの石崎選手の前進に手を焼き、石崎選手が連打をまとめる。
最後は3Rに接近戦の中でゴツんと音が聞こえてきそうな右フックでダウンを奪い、レフェリーが試合をストップ。
デビュー前はアマチュア経験豊富な上手いボクサーを想像していましたが、ここまでの2戦は力強さが目立っています。
ウェルター級の松岡蓮は4年振りの勝利
強敵相手に白星が遠かった松岡蓮選手は1RTKOで2019年依頼の勝利。
唯心ジムの黒川智矢選手がグイグイ押し込みながら接近戦を仕掛ける中、下がらされながらも右アッパー、左フック、右ストレートと有効打は松岡選手。
最後はバランスを崩して背を向けた状態の黒川選手に躊躇わず襲い掛かりそのままレフェリーストップ。

Sフェザー級新田晃生選手のデカい背中と左の使い方に注目
元々注目していた選手ではありませんが、Sフェザー級で優勝したカシミジムの新田晃生選手は良い選手でした。
デカい背中で体のバランスも良く、しっかりと体重の乗った左ジャブ、左フックで試合をコントロール。
ゴツい体をしていますがこの選手も何とまだ2004年9月生まれの18歳(もうすぐ19)。
若い選手はパワー負けするという定説を覆す体も強い10代ボクサーが次々出てきて驚きます。
GREEN Dream vol.21では中日本新人王トーナメント決勝の他に、駒澤大学で副将を務めた英豪選手の6回戦デビュー戦も行われました。
対戦相手は定年制度撤廃で復活した37歳の浜崎隆広選手。
試合は英豪選手が序盤からダウンを奪い、6RTKOで勝利しましたが、浜崎選手がとにかく渋く、男心をくすぐる熱いボクシングをしてくれました。
まとめ:2023年の中日本ボクサーは強い!
西部日本同様に選手数も少なく棄権も多い中日本新人王トーナメントですが、試合数は少なくとも2023年度の中日本ボクサーはレベルが高いし試合も面白い。
- フライ級の坂井涼は全日本を獲るでしょう
- 犬塚音也を破ったSフライ級の藤野零大は層の厚いSフライ級をかき回すか!?
- Sバンタム級の武藤涼太も全日本いけるのでは!?
この3選手は全日本を制する可能性が十分あります。
2022年度は西軍代表のレベルの高さに東軍が大苦戦しましたが、2023年度もそんな予感が漂ってきました。