こんにちはボクシングブロガーのtorajiroです。
この記事は2022年10月13日に書いたものをリライトしております。
2022年10月10日、ネット上で井上尚弥選手の暗に亀田興毅氏を批判していると思われるツイートが話題になっていました。
どちらの立場も肯定している自分としては何も言うことはない(触れるのは正直恐い!!)と思ったのですが、

若干井上選手の発言がミスリードされている?
という気がしたので「そういうもの」が何を指していると考えられるか私見を述べたいと思います。
先に申し上げておきますが僕は井上尚弥選手も亀田興毅氏もどちらも好きで応援しています。
話題になったツイートとその背景
話題になったのは井上尚弥選手が独り言として呟いた以下のツイート。
これだけ読んでもなんの事やらですが、何に対する独り言なのかは亀田興毅氏のNumber掲載の以下の取材記事に対するものと考えられています。
▶︎「ファイトマネー倍額は最低ライン」「日本王者の年収を1000万円に」あの亀田興毅が本気で“ボクシング界の底上げ”に取り組む理由
▶︎「井上尚弥選手は確かにすごい。でも…」プロモーター・亀田興毅が語ったボクシング界の課題とは「他の格闘技に比べて、親切じゃない」
亀田興毅氏の取材記事の内容を受けて、「自分(亀田氏)がそういうものにしたのに」という疑問を井上選手が呟き、これが話題になったという状況です。
記事の中のどの部分に対するつぶやきなのかは定かではなく、世間の反応もどの部分に対するものと解釈したかで様々。
井上尚弥選手のツイートに対するSNS上の反応
このツイートに対するSNS上での反応を見てみると、記事中の亀田興毅氏の以下の発言部分を切り取った意見が多数を占めているように感じます。
井上選手は確かにすごい。でもそれは一部の選手であって、全体で見るとボクシングは苦しい状況にある。だからボクシングをもっと活気づけたい。
「井上尚弥選手は確かにすごい。でも…」プロモーター・亀田興毅が語ったボクシング界の課題とは「他の格闘技に比べて、親切じゃない」
夕刊フジの記事もこの発言部分を切り取った記事の書き方をしていましたし、SNS上でも、
「ボクシング人気低迷の原因は亀田三兄弟だ」
「いやいや亀田は逆にボクシング人気の維持に貢献していたでしょう」
といった論争になっておりました。
ですが個人的には井上尚弥選手の呟きはボクシング人気低迷の部分に対するものではないだろうと感じています。
「そういうもの」が何を指すか
井上尚弥選手が呟いた「そういうもの」が何を指すのか。
「ボクシング人気低迷」
を指すのであれば
「そういうもの」
ではなく
「そういう状況」
と表現するでしょう。
なので僕は人気低迷の原因が亀田興毅氏だと言っている訳ではないと解釈しました。
そこではなく、おそらく記事中の以下の部分に言及したものと感じております。
僕は最初、「3150ファイトクラブ」というジムの会長という立場で『3150FIGHT』という興行を開催しました。そうすると赤コーナーに「3150ファイトクラブ」の選手がズラリと並ぶ。対する青コーナーは地方の選手とか海外の選手たちです。これね、自分も昔はなんとも思わなかったけど、外から見たら「これでホンマに中立で公正な試合になるのか?」と思われるんじゃないかと。そう思ったんです。
「ファイトマネー倍額は最低ライン」「日本王者の年収を1000万円に」あの亀田興毅が本気で“ボクシング界の底上げ”に取り組む理由
亀田興毅氏の現役時代、初めのうちはかませ犬と呼ばれる海外の選手を読んできて、当然亀田が勝つという試合が続きました。
そこから世界を取った試合もその後の防衛戦でも、「どっちが勝ったか分からない内容で亀田選手が勝つ」試合が多くなり、
「疑惑の判定、TBS判定」等と揶揄されるようになっていきました。
ボクシングファンの中には亀田興毅氏の試合の際には以下の気持ちが常にあったと思います。

今回もまた、勝てそうな相手を連れてきて、接戦になっても亀田選手寄りな判定結果になるのだろうなぁ。
中立・公平ではなく、人気があって金を稼げるホームタウンの選手に判定は傾く、ボクシングってそういうもの。
そういうものとは何を指すか?
そういうもの=ボクシングを「中立で公正な試合になるのか?」
と思われるようなものにしたのは亀田興毅さん自身ではないのか??
それが井上尚弥選手が発した独り言だったのではないかと僕は解釈しております。
異なるアプローチでボクシングを盛り上げて欲しい

現役時代の亀田興毅氏のマッチメイクや試合内容、判定結果、煽り方等々に対してはやり過ぎ感は正直ありました。

もっと上手くやればいいのに、せめて試合後の対戦相手へのフォローとかもっとあっても良いのに。
という事は偉そうにも常に思っていました。
最後の最後までリング上で対戦相手へのリスペクトがなく、ボクシングファンの共感を集める視点が圧倒的に欠けている。
そこのもどかしさがありました。
でも現在、プロモーターになった亀田興毅氏は自身の経験を反省材料に?
- 新規のファンを呼び込むアクションは起こしつつ
- 選手に寄り添い
- ファンの共感を集めるような姿勢
を見せ続けています。
弱い相手とばかり試合していたのに自分の事は棚に上げて!!
という批判も当然あるでしょうが、そもそもマッチメイクは選手がするものではありません。
現在の亀田興毅氏は選手時代に自分自身もどかしいと思っていた部分を反省材料にプロモーター活動をしているように僕には映ります。
井上尚弥選手は徹底的に強さに拘り、圧倒的な強さを見せつけ続けて世界的なスターに上り詰めた選手です。
- ボクシング人気向上のため、4回戦の試合でも盛り上がるように話題性を作っていこうとする亀田興毅氏
- 圧倒的な強さでボクシング人気を上げていこうとする井上尚弥選手
アプローチは違いますがどちらの軸もとても大切だと思います。
井上尚弥選手にはああやって呟いて、
「自分は本物を見せ続けるぞ」
という決意を持って挑戦し続けてもらいたいですし、
亀田興毅氏にはボクシング界の底上げをしていただきたいです。
どちらの視点、どちらの軸もボクシング界発展のためには欠かせない要素です。

まとめ
以上がtorajiro的な井上尚弥選手の独り言に対する解釈でした。
見当外れでしたら申し訳ございません。
どちらかを持ち上げてどちらかを落としたくはなく、井上尚弥選手の強さを追求する路線も、亀田興毅氏の話題性を作って集客を意識する路線も、日本ボクシング発展のためにはどちらも必要だと思っています。
様々な意見が出てボクシングネタが盛り上がることは嬉しいですが、行き過ぎて排除する動きにだけはならないで欲しいなと、そんな不安もありましてこの記事を書かせていただきました。
おまけ:井上尚弥 VS 亀田和毅は実現するのか!?
2023年10月7日(土)亀田和毅選手が3150FIGHTに出戻りし、世界ランカーのレラト ドラミニ選手とIBFフェザー級2位決定戦を行う事が決定しました。
長くWBAスーパーバンタム級の挑戦権を有しながらチャンスが回ってこず、前王者のムロジョン アフマダリエフ選手と再度の挑戦者決定戦を命じられたタイミングでフェザー級への階級アップを表明した亀田和毅選手。
ムロジョンに勝てないから逃げた!!
という批判の声も当然ありました。
一方で、
- 挑戦者決定戦に勝利してもチャンピオンになっているであろう井上尚弥選手に挑戦できる保証はない。
- 指名挑戦権を有しても井上尚弥選手が4団体統一していたらいつ順番が回ってくるか?
- 順番が回ってくる前に井上尚弥選手が階級を上げてしまう。
- そもそも過去2戦、フェザー級に近い階級で戦っている亀田和毅選手は体格的にスーパーバンタム級はもう限界。
という亀田陣営の考えも最もだと思いました。
加えてそもそも井上尚弥選手の視界に亀田和毅選手は入っておらず、タパレスに敗れたムロジョンに和毅が勝ったとしても、
戦いたい相手とは思ってもらえない可能性が高い。
亀田和毅選手は井上尚弥選手が1RでKOしたジェイミー マクドネル選手に2度敗れています。
その点も考慮すると、貴重な1試合を挑戦者の立場にいる亀田和毅選手に割く可能性は低いのかもしれない。
一方で井上尚弥選手よりも先にフェザー級に上げて世界のベルトを獲ってしまえば、井上尚弥選手がフェザー級に上げてベルト統一に動き始めた時に王者として迎え撃つ事が出来ます。
確率で見ればフェザー級で世界を獲れれば井上尚弥選手との対戦はほぼ確実な位置に着くことが出来ます。
果たして亀田和毅選手は3150FIGHT vol.7でチャンスをものにし、その後にフェザー級の世界タイトルを獲得して井上尚弥選手を迎え打つことが出来るでしょうか!?