力石政法選手が完全アウェイのイタリア・ローマでマイケル・マグネッシ選手に最終12Rに大逆転のTKO勝利。
- リングはファイター有利な小さい会場。
- リング上もマグネッシ陣営が占拠し完全アウェイの様相を呈し。
- 試合は序盤からマグネッシ選手が攻勢。
大半の視聴者がこれはダメかも分からんと諦めモードだったところから力石選手が絶対に諦めない強い気持ちを見せてくれました。
完全アウェイの試合会場
アウェイの中での挑戦は前日から荒れます。
前日にリングのサイズが規定より小さい!!
1辺6mのリングで行われるはずだったリングは規定よりも小さい4.9M。
これに力石陣営、亀田興毅氏らが猛抗議。
協議の結果、前日の時点ではリング上にあった広告がリング外の机に設置されロープは伸ばされました。
こんな具合にやや不恰好ではありますが前日の抗議が実り少しでもリングが広くなったのはファインプレーと言えるでしょう。
が、元々のリングサイズが小さめなので規定のギリギリといったところ。
普段と比べると試合を見ていてもリングの小ささはハッキリと感じました。
これは実際ボクシングをやったことがある人なら分かると思いますがリングが小さいのは足を使うボクサーには相当不利。
試合前もリング上をマグネッシ陣営が大量占拠しており、敵地ムードは凄かった。
完全アウェイの試合内容
試合が始まると、リングが小さくアウェイということもあり、力石選手は普段よりも積極的な立ち上がり。
いつもの緊張感のある立ち上がりと比べると明らかに被弾が多い。
マグネッシ選手は映像で見ていた以上に体がゴツく、ボクシングも上手い。
自分から距離を詰め、力石選手がパンチを放つ際に生まれるスキを突いてくるマグネッシ選手。
時折スイッチも織り交ぜ、サウスポースタイルからの右ジャブも効果的だったマグネッシ選手。
毎ラウンド力石選手のパンチもヒットしているが、頑丈なマグネッシ選手はビクともせず、逆に力石選手は顔を跳ね上げられて見栄えが悪い。
実力差は殆どないが毎ラウンド少しずつリードされ、トータルのポイントはかなり差が開いていたであろう10R、
ついにチャンスが到来します。
10Rは力石選手のアッパーに返しのフック等のパンチがマグネッシ選手をとらえており、力石選手が左を打ち下ろしマグネッシ選手が効いた様子を見せると、このチャンスに力石選手は自らの被弾もお構いなしにラッシュを仕掛ける。
11Rもマグネッシ選手は10Rのダメージを引きずっているのか手数が出ず、ロープに下がり防戦状態。
そして迎えた12R、左ストレートからの返しの右フックで力石選手が遂にダウンをゲット!!
解説の畑山さんも早起きしていた我々ファンも大興奮。
「ダウンだ!!」
と畑山さん絶叫。
マグネッシ選手が足元がスベったようなアピールをすれば、
「スリップ??それはないっしょー。」
ファンの心を代弁する畑山さん。
「効いてる!効いてる!」
力石選手がパンチをまとめ、マグネッシ選手が下を向き、レフェリーが後頭部への打撃を注意すると、
「おいおいおいおい!連打の中なんだからしょーがねぇだろ!」
そして力石選手が得意の左右左のコンビネーションを放つと最後の左が完璧にマグネッシ選手をとらえて2度目のダウンをゲット!!
「おーきたーーー!!」
畑山さん再び大絶叫。
「まだ2分ある!!」
マグネッシ選手は自らコーナーに下がり力石選手がパンチをまとめる。
ピンチをマグネッシ選手はクリンチで回避。
レフェリーが割って入り両者を分けると、マグネッシ選手はよろよろと後ろに倒れ試合中断。
「おいおい何だよそれ!これダウンだよ!なんでカウント取らないの!?」
畑山さんも怒る。我々ファンも興奮と焦りと苛立ちと。
再開後、更に攻める力石選手。
左ストレート右フックに連打がことごとくマグネッシ選手をとらえる。
そしてラスト30秒を切ったところで遂にレフェリーが割って入り大逆転のTKO勝利。
「すーーーげーーーー!!!」
畑山さんの絶叫がこだます中、視聴していたファンも心臓バクバクだったでしょう。
危険だった最終回のレフェリング
さて、結果的には力石選手のTKO勝利で日本のファンにとっては万々歳の試合となりましたが、最終回はマグネッシ選手かなり危ない状態でした。
2度ダウンを取られ、クリンチを引き離されただけで後ろに倒れてしまうほどのダメージ。
しかしこの状態でもレフェリーはスリップの裁定で試合を止めない。
この時マグネッシ選手の両足は明らかに痙攣していました。
そしてここから30秒、更に力石選手が一方的にパンチをまとめ続け、ようやくレフェリーは試合を止めました。
地元の選手だし、そこまでポイントで勝っていたのは明らか。
止めづらい状況ではあったのは間違いないですが、あれは観ていて怖くなりました。
マグネッシ選手に後遺症等が残らないことを心から願います。
いよいよ力石選手が世界挑戦へ!
この試合はWBCのSフェザー級王者への挑戦権がかかった試合でした。
この試合に勝利した力石選手は世界王者に挑戦する権利を実力でもぎ取ったことに。
アウェイでのこんな素晴らしい大逆転劇は滅多にお目にかかることが出来ません。
世界戦での日本人ボクサーの勝利以上に、その何倍もの興奮と感動がこの試合にはありました。
「もうこれが世界戦でもいい。」
試合を見終えた後はそんな気分になりました。
力石選手は歴代の世界王者達に匹敵する快挙を成し遂げてくれたと思っています。
しかし力石選手はここで満足はしていないでしょう。
WBCのSフェザー級チャンピオンはアメリカのオーシャキール・フォスター選手。
24戦22勝(12KO)2敗の戦績で、ここ2試合は際どい試合が続いており、チャンスは十分あります。
アメリカの選手なので日本に連れてくるのは難しいかもしれませんが、決定戦でこれだけの試合をしたんですから何とか日本に連れて来れないか。
すごい試合でした。
本当に感動しました。
力石選手に世界のベルトを巻いて欲しい。
亀田ファウンダーよろしくお願いします!!